※ネタバレするかもしれません。要注意。



◎「ガッチャガチャ」

ガッチャガチャ 全8巻完結(花とゆめCOMICS) [マーケットプレイス コミックセット]/橘裕
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全8巻。


一言でまとめると。

変人達のラブコメ風味。


ちょーーーーーっと少女漫画では特殊なキャラ達が、

病的な恋愛を繰り広げたり、

殴ったり蹴ったり、

刺したり刺されたり、

薔薇だったり百合だったり、

色々としでかす作品です。

毛色の変わった作品・・・と言うんでしょうか。


大体、主人公からして普通の少女漫画ではあり得ません。

恋愛遍歴多数、もちろん清純な乙女的な部分は

過去に捨て去り、付き合った男は10人以上(だったような)。

しかも,、全員駄目人間。

ギャンブル狂だったり、借金癖だったり、女にだらしなかったり、

暴力男、ヤク中野郎、色々色々選り取り見取り。

それでも恋愛生きがいな恋愛脳主人公・室井友里が、

今度は別の男に一目惚れします。


それは、同じ学校の矢部先輩。

金髪に無精髭の、これまた少女漫画では珍しい

ワイルドな風貌の先輩。

彼は、

喧嘩に明け暮れ、女はとっかえひっかえの、

やっぱり駄目人間でした。

友里の恋愛ってさ・・・・・・。


なんて、こっちが笑ってようが呆れてようが

おかまいなく友里は恋の成就のために

アタックあるのみ。

ガンガンいきます。

その努力は可愛らしく、友里の性格自体は

さっぱりしていて明るく元気なので、

読んでいて好感は持てます。

持てます・・・が、

「目を覚ませ!!本当にいいのか、それで!!」

と言いたくなることもしばしば。


そんな友里の親友になったのは、美少女の神楽坂素子さん。

長いストレートの髪をなびかせる美少女。

しかもお嬢様。

しかし中身はオヤジ。

しかも暴力オヤジ。

猪木大好き。

可愛い女の子も大好き。

美少女の足をねっとり眺めたり、匂いを嗅いだりするのは

趣味の範囲。

口を開けば下ネタや放送禁止用語、過激な言葉が

ぼろぼろ零れ、言動はガサツを通り越して粗暴な男。

キレればすぐに手が出る暴力女。

そこらのチンピラなら十数人は余裕で失神させます。


そして最後の主要メンバー。

こいつが一番マトモと言えばマトモなんですが、

生徒会長と剣道部部長を兼任する(だったかな?)

平尾先輩。

眼鏡で真面目、優等生。

イケメンで生徒会長としても有能。

当然モテます。

が。

彼は友里にベタ惚れ状態。

なのに、話しかけることもままならない相当なヘタレ。

話しかけては後悔し、誤解されてはひっそり落ち込み、

何なの、お前は、中学生なの?

つか、ストーカー一歩手前?

そんなヘタレな駄目男。


こんな少女漫画の枠を少しはみ出した連中が、

恋したり喧嘩したりぼこったりぼこられたり・・・

まあ色々珍しく面白い作品でした。


でも、正直言うと、

一巻の時点では、自分の駄目な部分を特に気にしない、

むしろ肯定肯定な彼らにちょっとイラッとしちゃったりも

しました。

それは私が、自分の駄目部分にウジウジするキャラが

好きだから、というただ単に好みの問題だと思います。

が、8巻全部読んだら彼らが可愛らしくなりました。

最後まで少女漫画の異端展開をかっ飛ばして

ましたしね!


変態っていいじゃない?

そんな作品でした。