何か疲れてる・・・。

元気出ないよ・・・。


◎「図書室の海」

図書室の海 (新潮文庫)/恩田 陸
¥500
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不思議な物語達による短編集。


世界そのものが不思議。

時間の流れが不思議。

出てくる人物の不思議。

不思議な事柄。

そして、人の心の不思議。


色々と種類はありますが、どれも不思議を

漂わせる感性の物語だと思います。


これには全部で十編が収録されているのですが、

幾つかは他の恩田陸作品とリンクしています。


「睡蓮」が、「麦の海に沈む果実」や「黄昏の百合の骨」等に

出てくる水野理瀬の幼年時代。

理瀬はいつの時代でも凛とした悪女なのだなあと

なんだか感動しました。


「ピクニックの準備」は「夜のピクニック」の予告編。

「夜のピクニック」は読んだことがないのですが、

少し興味が湧きました。


「図書室の海」は「六番目の小夜子」の番外編。


その他、書かれたのかどうかは分かりませんが、

その時点では存在しなかった長編の予告編という

位置づけの物語もあるようです。


人によっては「物足りない」、「意味が分からない」と

思う短編集かもしれません。

不思議だけでプツッと消えるものも多いので。

が、不思議大好き、イメージの世界大好き、恩田陸好きの

自分としては、楽しめた一冊でした。