◎「カラクリオデット」

カラクリオデット 1 (花とゆめCOMICS)/鈴木 ジュリエッタ
¥410
Amazon.co.jp



全6巻。

天才ロボット学者・吉沢博士に造られた

アンドロイドのオデット。

人間に興味のあるオデットは、博士に無理矢理

頼み込み、「人間」と偽って高校に通い始める。

しかし、アンドロイドであるために、人間の感情や

機微をよく理解出来ないオデット。

そのために色々と周りを困惑させたり、

自分が戸惑ったり傷付いたり・・・。

そのうち次第にオデットに人間らしい感情が

芽生えていき・・・。





淡々と、

滲み出る、

変人オーラ。


それが面白い作品でした。


オデットはアンドロイドで、しかも造られたばかり。

精神年齢は子供のような状態です。

そのためによく奇妙な行動をとるのですが、

その珍妙な行動をとるオデットと、周囲の微妙な

距離感が堪りませんでした。


例えば・・・

ある時、友達がやっていた消しゴムのおまじないに

興味を持ったオデット。

「好きな人の名前を消しゴムに書き、それを誰にも

見られずに一人で使い切ったら恋が実る」

という、よくある恋のおまじない。

「好きな人」というのがいまいちよく分かっていない

けれど、とりあえず形だけは真似してみるオデット。

アンドロイドと知らない友達は

「オデットちゃんの好きな人だれ~?見せて~」

「ひみつ」

「やだ~。見せてよ~」

という、非常にありがちな可愛らしい会話を

繰り広げてくれます。

これだけならよくある光景です。

微笑ましい光景です。

ですが。

その乙女チックな会話の続きでオデットは、

消しゴムを飲み込み、笑顔で「見せない」

というドン引きの展開に持ち込みます。

当然友達は引きまくり。

ですが、その場を過ぎれば、記憶喪失になったかの

ごとく、またいつものように接してくれる優しい友達

なのでした。


またある時は、やっと出来た彼氏と遊園地に

デートに行くんだ!と浮かれる友達。

それを見たオデットは一言。

「オデットも行きたい」

別の友達に全力で「遠慮しろ」と止められるものの、

結局、「Wデートという形ならいいよ」と彼氏持ちの

友達は優しく言ってくれるのでした(涙)


そしてまたある時、「力のある女子は可愛くない」と

言われたオデット。

アンドロイドで人並み以上に力のある彼女は、

しかし、脳内は非常に乙女なため、その言葉に

とてもショックを受けます。

可愛くなりたい!!

そのためオデットは、体育倉庫に先輩(男)と

閉じ込められた時、鍵のかかった扉を開ける

ことを拒否します。

「オデット、かよわいからそんなこと出来ない」

とか何とか。

ちなみに、その先輩はオデットがアンドロイドな

ことを承知しているので、非常にイラつきます。

が、その時オデットはにこやかに

「オデット、今可愛いか?」


このように加減を知らないオデットの奇行と、

周囲の引きつつも優しく見ないふりをする

関係がとても面白かったです。


うん。

ちょっと斜めにズレてる感じの笑いが

何ともツボな作品でした。