◎「スイス時計の謎」
- スイス時計の謎 (講談社文庫)/有栖川 有栖
- ¥600
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この「国名シリーズ」は、結構昔に途中まで読みました。
「ロシア紅茶の謎」から「ペルシャ猫の謎」まで・・・かな?
どれも本格でありながら、手頃な長さの短編や中編が
揃っていて、重過ぎず軽過ぎず楽しめるので好きでした。
(しかし、今調べたら「スウェーデン館の謎」は長編だった
らしいです。もう昔のことなんで記憶が・・・・・・)
で、しばらく読んでいなかったのですが、
久しぶりに見かけたので手にとってみました。
このシリーズは、臨床犯罪学者の火村英生先生と
作家の有栖川有栖先生が事件を解決していくものです。
この「スイス時計の謎」でも、二人が幾つかの事件を
解決していきます。
アマチュアロックバンドのギタリストが、自分のギターで
殴り殺された。瀕死の状態の時、彼が呟いたのは自分の
苗字。そして壁に血で書いたのは「Y」の文字。
そのダイイングメッセージの謎を解く「あるYの悲劇」。
アトリエで殺されていた女性彫刻家。その遺体には
首がなく、切断された頭部の部分には、代わりに
彫刻の頭部が置かれていた。という「女彫刻家の首」。
現代のシャイロックとも呼べる高利貸しを銃殺し、
あるトリックで現場を密室にした犯人・常石。
彼の視点も交えつつ話が進む「シャイロックの密室」。
そして。
高校時代に優等生六人が集まって作ったサークル(?)。
その同窓会が行われる日、メンバーの一人が殺害された。
現場にはサファイアガラスの粉が散っていたが、それは
六人がメンバーの証として揃いで持っていた腕時計の物だった。
しかし、現場には被害者の腕時計が残っていない。
犯人は誰で、何故腕時計を持ち去ったのか。
という表題作「スイス時計の謎」。
この四編が収録されています。
で。
私としては「スイス時計の謎」が一番面白かったのですが。
が。
著者が「ストレートを狙ったけれども、見逃しや空振りして
くれることを願う」というようなことを、あとがきで書いて
らっしゃるように、直球な作品で、解決の論理もキッチリ
していて良かったのですが。
が。
が。
「空振り」なんてもんじゃないぜ!
空振りも空振り!
見事に空気を切ったぜ!
悔しくなんかないぜ!!
全っ然、悔しくなんか
ちくしょーーーーーー!!!
という感じでした・・・。
まあ、いつもほぼ九割を勘で何とかしようと思ってるので、
当たるわけないんですがね・・・。
でも今回は結構考えたつもりだったんだけどなあ。
うーん。
くそう。
悔しくなんか・・・悔しくなんか・・・くそー。