疲れてるので、本の感想を短く書いて寝ます。
◎「湖底の光芒」
著者:松本清張
出版社:講談社
長野県の諏訪で、レンズ製造会社を経営する遠沢加須子。
彼女は亡き夫の遺志を継ぎ、小規模ながらも愛すべき
会社を守ってきた。
しかし、その会社が危機に直面する。
親会社のケーアイ光学が倒産したのだ。
債権者会議で、一人だけ他の債権者とは違う対応をとられる
加須子。
そして窮地に立たされた加須子に、大手のハイランド光学専務
弓島が、好条件の取引を持ちかけてくる。
不審に思いつつ、その提案を受け入れるか迷う加須子。
そんな折、亡き夫の妹・多摩子が帰省し、弓島に接近し始めた。
それで・・・
大手会社の輝かしい躍進の元で、下請会社が累々と死体を
積み上げる!
そんな事情のなかで加須子が悩む!
それらを全く意に介さず多摩子が恋に突っ走る!
そんな話でした。
大手と下請の関係のエゲツなさ。
それがかなり描写されています。
無理なコストダウンを要求し、下請にマイナスを押しつけて
躍進を続ける大手。
逆らうことの出来ない下請。
それは今読んでも色褪せない・・・というか、
現在こそ胸に迫る話なんじゃないかと思いました。
そして、それらの深刻な話はともかく、何をおいても
ヤンデレ多摩子さんが素晴らしかったです。
感想の経緯を簡単に表すと・・・
親会社と下請け、大手と中小の関係はいつの時代も
格差、搾取がふんちゃらかんちゃら
↓
加須子さん、弓島の毒牙に引っ掛かっちゃうの!?
↓
この多摩子とかいうお嬢様は、自分と自分の実家の
立場と状況が分かってるんだろうか・・・。イライラ。
↓
状況を分からずに盲目的に恋に走る多摩子は
嫌な女だなあ。イライライライラ。
↓
・・・でもちょっとだけ多摩子さんの気持ち、
分かる気がする・・・
↓
あれ・・・?
ていうか、多摩子さんヤンデレじゃん?
↓
多摩子さんのヤンデレ道、サイコー!!
ええ、そんな感じで。
何かが間違っている気はするけれど、
どう間違っているのか分かりません。