◎「神鳥 イビス」

神鳥―イビス (集英社文庫)/篠田 節子
¥570
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ティーンエイジャー向け小説の挿絵に、金髪の

美少年美少女ばかり描いてきたイラストレイターの

谷口葉子。

若くしてデビューし、ハイパーバイオレンス作家として、

「売れる」小説を書き続けてきた美鈴慶一郎。

30前後で己の仕事に疑問を抱き始めた二人が、

転機を求め、一人の女性画家の絵の謎を追う。

明治時代の画家・河野珠枝は、徹底したリアリズムを

持って精緻な花鳥風月を描いた。

しかし、彼女が死ぬ間際に描いた「朱鷺飛来図」だけは

奇妙なことに幻想絵画だった。

そして、次第にその絵の持つ、美麗な恐怖の謎が
明かされていく。



みたいな?


前半は「朱鷺飛来図」についての情報が少しずつ少しずつ

明らかにされ、後半は一気にタイムスリップします。

どちらも楽しいです。

前半のじりじりと謎また謎な展開も、後半のパニック大爆発(?)

な所も。

んー・・・。

でも何ででしょうね。

謎が明かされてしまうとちょっとがっかりしてしまうのは。

あ、でもそれはこの作品だけのことじゃないんですけど。


謎の答えを知りたいけれど、いつまでも謎でいて欲しい。

そんな矛盾した思いを抱きました。

贅沢でごめんなさい。


でも、一気に読むほど引き込まれましたけどね。


それはともかく。

「二ページに一回コルト45口径が炸裂」し、「一章に一回女が

強姦され」、「シャワーを浴びている男を、ヒロインがグレネード

ランチャーで撃ち殺す」。

そんな美鈴先生のバイオレンス小説が、ちょっと読んでみたい

です。

怖いもの見たさで(笑)