◎「殺戮にいたる病」

殺戮にいたる病 (講談社文庫)/我孫子 武丸
¥600
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蒲生稔が、女性達を殺して愛して、

「真実の愛だ~」と陶酔してる変態な話。


とか・・・こういう適当なまとめでいいのか・・・。


えーと・・・。

蒲生稔という死体愛好家が、次々と女性達を

襲い、連続殺人事件を起こしていきます。

その事件について、主に三つの視点から

物語が語られます。

一つは、犯人である稔の視点。

二つ目は、息子が犯人ではないかと疑う母親、

雅子の視点。

そして、被害者の女性と知り合いだった元警部、

樋口の視点の三つです。

三つの視点によって事件が語られ、そして

各人の思い、現代社会の病理のようなものが

段々と見えてくる話です。




くそっ、やられた!!

まさに、これ。


色々とやられました。

グロさにもやられました。

いや、本当はやられてません。

どっちだよ、みたいな。


いや、グロいことはグロいです。

死体を切って云々~のような描写が大分あるので、

そういうものの苦手な人には辛いと思います。

私は「グロいな~。ふ~ん」位で流していたので、

あんまり堪えはしませんでしたが・・・。

グロいのは嫌いですが、別段あっても気にしない

という意味不明の人間です。


それよりも、犯人の変態さ加減にやられました。

こいつ相当変態です。

私は女なので、女性の体に対する執着云々には

あまり共感ができないのですが、いや、出来たら

出来たで問題だと思いますが、いまひとつ皮膚感覚

として理解できないものの、ヤツの変態さ加減だけは

しっかり分かりました。

ヤバイヨ、ヤバイヨ。


しかし、その変態さ加減について、

「ああ、こういう殺人犯っているよね」

という感想を普通に持ってしまいそうな現代社会・・・。

うーむ・・・・・・。


この作品が書かれたのは結構前のようですが、

今読んでも描かれたテーマに感じるもののある、

そして、ミステリーとしても最高級な、良い一冊だったと

思います。