◎「東京浪漫細工」
◎「続・東京浪漫細工」
- 続・東京浪漫細工/片山 愁
- ¥546
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アフィリエイトの方には「続・東京浪漫細工」の方しか
なかったので、それだけ貼っておきます。っていうか、
表紙の画像がないのは何故・・・?時々そういうの
あるよね・・・??
大正時代の東京。
物書き志望のおっとりした学生・皆口栄と、対照的に
クールな学生片瀬蘇芳が、幻のような不思議な事件に
遭遇していく・・・。
みたいな話です。
「東京浪漫細工」の方は、二人が幾つかの不思議な
事件に出会います。
浅草凌雲閣の上で亡くなった夫を待つ婦人の話、許嫁を
亡くした男と怪しげな風鈴売りの話、禽鳥(とり)を探す
不思議な少年の話・・・等々。
元々、近代とも現代とも言えない混沌とした時代という
ものに対して、ちょっと憧れというか・・・懐かしさ・・・は
違うな・・・浪漫を感じるのですが、この作品はそのツボ
を上手い具合に押してきてくれます。話の繊細な不可
思議さや、小道具の不安を感じる綺麗さ、言葉や絵の
間から漂う情感・・・それらがその曖昧とした時代と共鳴
して硝子細工のような雰囲気を創り上げています。
んー。
つまり・・・
くはっ!たまらん!!(よだれ)みたいな・・・。
何だか一生懸命書いておいて結論がこれだと、自分でも
ちょっと悲しくなるんですが、まあそんな感じ。
「続・東京浪漫細工」の方は、全体で一つの話です。
皆口君が結核にかかってしまって、周囲の人間は弱って
いく彼に何もできず、「死」だけが刻々と近づいてくる話
です。それでも笑顔で文章を綴ることを止めない皆口と、
どうすることもできずに苦悩する蘇芳、泣く百合ちゃん。
淡々と、けれど確実に強くなる切なさ。
うーむ。たまらん(よだれ)
・・・うぬー。
うまく説明できなくて歯がゆい・・・。
とにかく、繊細な感性と情感が凝縮されたような作品で、
私はとても好みでした。