だってねえ、
しょうがないじゃん。
好きなんだから。
◎「海の闇、月の影」
- 海の闇、月の影 (1)/篠原 千絵
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一卵性の双子である流風(るか)と流水(るみ)。
同じ顔、同じ声の二人だが、二人が想っていた当麻克之
は流風を選んだ。一度は二人を祝福する流水。
しかし、ハイキング先の古墳で昏睡状態になってから
二人の運命は変わった。特殊な能力を得た流水は、
その力で流風を殺そうとする。克之を手に入れるために。
そして流風は・・・
単純に分けるなら
流風=善
流水=悪
だと思います。
流風はいつでも他人を思いやることを忘れない子で、
流水はいつでも克之を手に入れることしか考えない子
です。そうです。いつでも克之を自分のものにするには
どうればいいか、しか考えない子です。誰を押しのけて
も、例え双子の妹を殺してでも克之が自分のものにな
ればそれでいい子です。
でも、
でも、
好きなんだ
大好きなんだよ、流水ちゃん!!
一人で突っ張って悪に染まっていく流水ちゃんが、好きで
好きでたまらないんだー!たった一人で世界を征服して
みようとしたり、色んな男と関係してみたり、流風を何度も
何度も殺そうとしてみたりして、でも望んだたった一つの
ものだけはどうやっても手に入らない、そんな哀しい流水
ちゃんが好きなんだ!大好きなんだ!!
・・・流風?どうでもいいかな(おい)
で、そんな可愛い流水ちゃんの台詞で、私が気に入って
いるのはこれです。
「女がね・・・女が貞淑になれるのは、思いが受けとめられ
てる時だけよ」
(略)
「あたしを流風と・・・克之さんの腕の中でヌクヌク甘えてる
流風なんかといっしょにしないでよ!!あたしにはなくして
困るものなんかないわ!」
(略)
「そうよ。ねたみ、そねみ、そういうものが力になるなら
あたしに勝てるヤツなんていないわ!!」
るみちゃーん!!(号泣)
好きだ、好きだよ流水ちゃん!!!
・・・流風?いましたっけ?(おい)
まあ、そんな私の流水ちゃんへの偏愛ぶりは置いて
おいて。
この話、いや、この話だけではなく篠原千絵さんの
作品は、引力が強いと思います。物語へ読者を引き
ずり込む能力が半端じゃないです。どんどん次を読み
たくなる。こういう作家さんをストーリーテラーと言うん
でしょうか・・?
私は篠原千絵さんの作品だと「天は赤い河のほとり」
も好きなので、いつか気が向いたらここに書こうかと
思います。
で、ここで問題が一つ。
二人が愛してやまない克之さんですが、
私にはどうしても格好よく見えません!