髪を切った。

大分伸びていたのでいい加減うざったくなった。

「短くしたいんですけどー・・・」

と言って

「でもショートにはしたくないです」

とか訳わかんないこと言った。

美容院に行くと緊張してしまってうまく話せない。

過去には「長いので一番短くしてください」という意味不明

なことを言ったこともある。ロングだけど一番短いロングに

して欲しかったんだ。緊張して小学生並の語彙しかなくなって

いるんだ。許してくれ。

こんな意味不明、しかもキョドリ、おまけにダークオーラを

まとっている私の注文を、担当してくれる美容師さんはいつも

言外の意味を汲み取ってやってくれた。髪型に特別興味

のない、ぶっちゃけどうでもいいと思っている女とは思えない

私を何とか見られる髪型にしてくれた。

とてもいい人だ。

しかし、会話が噛み合わない。何ていうか、共通の話題も

ないし、話せるようなネタが私にはないし、おまけに

折角話をふってくれても、もしくはふっても、何かすれ違う。

反応がお互いすれ違う。ギクシャクする。

何だろう。

多分お互い異文化な人間なのだ。

例えば、小中学校の同じクラスにいたら違うグループに属する

ような、そう・・・何ていうか人種の違う人間同士なのだ。

だから話が噛み合わない。お互いの思っているような反応が

返せないし返らない。

だからずっとギクシャクしていた。

その美容師さんは9月いっぱいで店を辞めるという。

だから、最後くらい盛り上がりたかった。

本当はいつも感謝してるし、話しベタなので、無理やり

話そうとしない姿勢がとてもありがたかった。

でも、完成した髪型を見せてくれて「どうですかー?」

と聞かれたとき、曖昧な笑みしか返せなくて、ちょっと

失笑をもらった。

最後までギクシャクしてた。

ちょっと切ないね。

今までありがとうございました。