去年?だったか、奥歯の辺りが腫れて、口が開かなくなった。

正確には奥歯の後ろの肉が腫れた。親知らずの辺りが。

けれど、歯医者が嫌いなので、というよりぶっちゃけ怖いので

無視していた。口を開けた時に、指二本分しか顎が動かなくても、

「これが正常な状態に違いない」と必死で思い込んだ。

涙ぐましい努力だった。

が、流石におかゆのような流動食しか食べられない状態を

いつまでも正常とは思い込めず、泣く泣く歯医者に行った。

「親知らず抜きましょう」

歯医者はすぐ言った。

そりゃそうだ。で、その日に抜いてもらった。

数日後には嘘のように口が開いた。「ああ、抜いてよかった」

この時ほど(一瞬でも)歯医者に感謝したことはない。



次に定期健診のため、歯医者に行った。

「虫歯はないね。・・・ただ、親知らずがちょっとね」

生えかけの親知らずが他の歯に悪影響を与えているとかなんとか

医者は言った。

そういや、この間も他の親知らずも早めに抜いたほうがいい

って言ってたなあ、と思いながら「今回はいいです」と

断った。

その次に行ったとき、「親知らずの影響で他の歯が虫歯に

なりかかってるからね」と言った・・・。

おかしい、と思った。毎回親知らずを抜きたがってる。

何故か分からなかったけど、怖いので、「まだいいです」

と言った。


最近、妹もその歯医者に通っている。

昔詰めた詰め物がとれたからだ。親知らずとは関係ない。

全く関係ない。腫れたこともない。

しかし、今日「指導管理説明書」みたいなものをもらってきた。

歯肉の状態やら口腔内の状態やらをチェックした結果が書いて

あるものらしい。

そこの「その他(生活習慣等)」の項目に「親知らずがあります。

いずれ腫れる恐れがあります、早いうちに抜歯しましょう。」

と書いてあった。生活習慣等の項目なのに・・・。

何故あの歯医者が親知らずに執念を燃やしているのか

私達は知らない・・・・・・。