少しだけ基本に立ち返り話を進めますが、日本のポピュラー音楽の業界は基本的に「完熟音楽」志向ですから、新しいことをやると失敗する傾向にあります。この点については私が解説しておりますので、下記リンクよりご参照ください。
完熟音楽論について:
http://ameblo.jp/prof-tanaka/entry-12164234323.h
しかしながら、クリステンセンもいっているように、いくら完璧な戦略を立案したところで成功する確率は極めて低いのが現状です。要は、戦略の次に重要なマーケット、いわゆる「マーケティング」に失敗するとせっかっくの戦略も台無しです。今回のLinQのケースは別に失敗しているわけではありませんが、世界へ羽ばたこうとする理念のわりに、福岡ローカルの域をでないLinQをどうにかして世界レベルにもっていこうという趣旨です。換言すると、戦略の軌道修正を行おうとするものであり、そこに経営学理論を援用し、本稿では教科書に沿った結論を出してみたいと思います。
まず、最終的な戦略の軌道修正を行う上で二つの方法があります。
1.これまで行ってきた理論を用い、固い戦略を決める。
2.何度も言ってますが、失敗する確率の方が高いので、今ある経営資源を有効活用し、やりたいようにやってみる
究極的には上記の二つです。そして本日は1をやってみます。
これまで様々な説明を加え、そして消去法にてLinQに必要なのは「破壊的イノベーション戦略」のそれも、「新市場創造型」だという結論に至っております。要はこれが答えです。しかし、皆様方の知りたいのは、では、具体的にこの戦略を使用して「どうするの?」というところでしょう。いわゆる「戦術」レベルでの話を聞きたいのだと思いますが、私は戦略論としての答えを既に出しておりますので責任は果たしておりますので、ここから先はあくまでも田中誠一ならこうするという、個人的な思いであることを念頭に読んでください。
先ほども書きましたように、予算は無制限という設定ですから考えは広くなるのですが、まず、新市場創造型というものは「それまでになかったものが出現する」状況です。たとえば、これまでアイドルがなかったところへ、アイドルが出現したというようなものですが、アイドル自体は私の両親が若いころから既に存在しておりますので、ここを狙うことはできません。そこで次の一手ですが、簡単です。
アイドルとして通常の音楽市場に参入するだけです。例えば、通常ブッキングでライブハウスに出入りするなどです。
現在のポピュラー音楽業界という枠の中ではアイドルは完全に隔離された状況にあります。ここに普通の顔して参入することにより、通常の音楽市場の中にアイドル枠が新設され、より一般の人々との距離も近くなることから認知度も増え、そこに新しい市場ができてくるのではなかろうか?という理論です。
例えば、通常ブッキングでライブハウスに出演する場合、はっきり申し上げて対バンするバンドにとっては脅威でありますし、破壊的であります。これは私のバンドで実証済みです。
申し訳ございません。本日はこれより飛行機に乗って移動しなければなりません。前述の新市場の詳細に関しては明日に書きますので、お許しください。ご高覧、ありがとうございました。