〜「支援級」での出会い〜

小学校3年。朝の全校集会。

いつも通り校長先生の長い話。

この春の時期は唇がカサカサで、よく切れて血が出る。気になって舐めるせいで治りも遅いのよ。



だから今日も唇をペロペロ…



「休み時間なにしよう…」そんな事を考えながら周りをチラチラ。




ある男の子が目に入る



「そういえばあの子って、いつもタオル噛んでるよな…」




彼はずっと、タオルを噛みながら先生に抱えられていた。



同じ列にいるという事は同級生。でも名前は知らない。



タオルが外れて顔が見えると、彼の口元は真っ赤に爛れていた。




あれは!




俺にはわかる…

乾燥した唇をペロペロするとその跡が浮き上がるように赤くなって、まじなタラコ唇みたいになる。



まさにそれ。





「俺と同じで唇切れやすいんだな…」






「でも、なんであんな甘えてるんだ?同級生だよな…?(呆)」






そんな事を思っていたら

いつも長く感じる校長の話がもう終わっていた。








「今日の一時間目は道徳…だったな」











良い一日になりそうだ。












つづく