【HOI2/DH】1933年IFシナリオ・『ロマノフの亡霊』
ロシア革命ののち、内戦が勃発しました。
史実では、ポリシェヴィキが全ロシアを掌握し、名実ともにソビエト連邦が成立したわけですが、
このIFシナリオ、【ロマノフの亡霊】では、赤軍と戦った白軍側がシベリアへ退避し生き延びている世界です。
のみならず、かつてロシア臨時共和国の首班であったアレクサンドル・ケレンスキーは、自分こそがアナスタシア・ニコラエヴァナ・ロマノヴァであると主張する1人の女性を担ぎ上げ、『臨時全ロシア政府』を名乗ります。いつの日か、邪悪な革命家たちからロシアの大地を取り戻すその日を夢見て...
1917年の10月革命でポリシェヴィキが権力を掌握し、ロマノフ王朝の皇帝一族は人民裁判により皆殺しになります。
第四皇女アナスタシアも例外ではなく銃殺刑に処されるのですが、戦後に至るまで、アナスタシア生存説は根強く、
もっとも有名な僭称(せんしょう)者は、アメリカ人女性のアンナ・アンダーソンでしょう。
彼女は、意図して偽っていたというより、『自分は皇女アナスタシアだ』と思い込んでいた節があり、
こじつけとはいえ、皇女アナスタシアと共通する点もあったことから、彼女は本物だと信じてしまったものも少なくありません。
しかし、戦後のDNA調査により、ポリシェヴィキが遺棄したアナスタシアの遺体は本人であることが確定し、自動的にアンナ・アンダーソンも偽物であることが確定したのです。
この時すでに、アンナ・アンダーソンは亡くなっていました。
このIF世界では、白軍がかろうじて生き延びており、シベリアで細々と存続しています。
その涙ぐましい工業化努力で、実質国力はソビエト連邦の8分の1程度まで高めることに成功しています。
しかしながら所詮は中小国家に過ぎないため、列強には到底及びません。
国際社会は臨時ロシア政府に同情的であり、イギリスやフランス、アメリカ、ドイツ、日本といった国々は友好的です。
ただし日本は革命時の予防占領のためか樺太島を全島占領しており、日露間で領土問題を抱えます。
首都はウラジオストクです。
臨時ロシア政府は、その成立の経緯から目下ソビエト連邦を敵国としていますが、しかしソ連と戦っても勝ち目はありません。
ただ極東に点在する白系ロシア人勢力が協力してくれるので、マンパワーの不足や資金不足は補えます。
白軍は生き延びているが、僭称者アンナを立てている現状、そして未来は決して明るいものではない。
まさに、暗黒のロシアです。しかし革命家たちをロシアの大地から追い出すには、精神的主柱が不可欠であり、
それは『ロマノフ』の名、『生き延びていた皇女アナスタシア』という事実なのです。それがまやかしであっても...。
臨時ロシア政府単独で、ソ連を打倒することは不可能。諸外国との協調、同盟が必要でしょうが、どこの組むかは慎重に考えます。
選択肢は多様、それぞれのメリットとデメリットを列挙したうえで結論を出してみます。
①連合国との同盟
英仏と組む。その他、イギリス領インド帝国やオーストラリアといった国々も味方となる。
ただし、イギリスは陸軍国家ではないので対ソ戦の上で、あまり当てにならず、フランスも対ソの前にドイツに敗北して消え去る可能性大。インド軍はそこそこの陸軍規模だが、ソ連と地続きでない。
連合国と組む最大のメリットは、早晩アメリカ合衆国が連合国に加盟すること。
アメリカ軍の到着を待てば、対ソを有利に進められる。欠点は、アメリカの本格始動が遅いことか。
②枢軸国と同盟
世界最強のドイツ軍が味方になる。
おそらく、ソ連を倒す上で最も手っ取り早い。東西からドイツ・ロシアの挟撃をすれば如何にソ連を倒せなくもない。
だが、ドイツはスラヴ人を劣等人種とみなしており、ドイツの傀儡国家になることは避けられず、ウラル以西がドイツ領土になることは不可避だと思われる。
ソ連を打倒したのち、そのままドイツ打倒に動けるなら、あるいは枢軸と運命を共にする気ならば組むのもアリ。
③日本と同盟
極東の有色人種国家、日本が味方になる。列強の中では国力が高いほうではないが、陸軍規模もそれなりにあり、しかもロシアのすぐそばに本土があるため、援護も早い。もれなく満州国も味方に付いてくる。
ただし中国と戦端を開くことが多く、そちらへの協力も余儀なくされる。日本と組む場合、日中戦争の早期終結が課題。
また、最大のメリットは、西のソ連を相手にする上で、日本の不意打ち(挟撃)を防げるという点。
今回の方針としては③を選択。日本と組み、反共産主義による日露同盟を結んで対抗したいと思います。
ソ連が消滅すれば、日露の協力はあらゆる国家の妨害を防げる強大な同盟となります。
臨時ロシア政府の首班、アレクサンドル・ケレンスキー総裁が暗殺される。
変わって臨時ロシア政府の新体制を決める必要に迫られますが..。