オーストリア。
20世紀初頭まで列強の一角として存在し、軍事・政治ともに強い存在感を放っていました。
ところが、工業的に大きく立ち遅れ、ハプスブルクの基盤が揺らいでいたころ、第1次世界大戦勃発。
初戦においてセルビアにさえ苦戦し、ドイツ帝国との共同によってルーマニア王国を退けたものの、ロシアには連戦連敗。
ドイツ帝国を裏切り、ひそかに連合国との講和を模索するも、その事実を暴露されドイツからも見限られる。
やがて、第1次世界大戦に敗北し、歴史ある名家・ハプスブルク家の帝国は終わりを迎えました。
変わって成立したオーストリア共和国においては、経済危機で右派・左派による内戦直前まで事態は深刻化しました。
共和国の安定を目的として、憲法改正し大統領の権限強化まで行いましたが、民衆の共和国への不信は覆せず、
やがてナチスの台頭を招いたのです。
HOIにおいて、放っておくとドイツに吸収され消滅するオーストリア。
そのオーストリアを選択し、列強への返り咲きを目指しプレイしてみます。
MODは大日本帝国&FULL kaiを入れていますので、多数の追加イベントが用意されています。
かつて、列強だったオーストリアは第1次世界大戦により大幅に弱体化。
もはや見る影もない中小国に成り下がっています。
1933年初頭、軍事的には隣国のチェコスロバキア、ハンガリー、ユーゴスラヴィアにすら敵いません。
同じく敗戦国のワイマール・ドイツといい勝負です。
ただし、研究機関だけは一級です。
スキルの高い研究機関が揃っているため、技術力は列強に引けを取らないでしょう。
今回の陸軍戦術は、将来を見据えドイツ式の電撃戦ドクトリンを採用しました。
1933年では到底無理ですが、将来的に機甲化を目指します。
シナリオ開始直後、史実通り日独は孤立の道を歩む。
また、日本は南進の道を選択しました。これも史実通りですね。
そしてドイツ、オーストリアの独立保証を声明。
歴史を知っている私からすれば、これほど白々しいものはないですが、
名目上、独立を保障するというならば存分に利用してやりましょう。
オーストリア、右派と左派の対立。
ファシズム(右派)を選択するか、マルクス主義(左派)を選択するかですが、
史実通りならばオーストロ・ファシズムです。マルクス主義を選択すると、
『オーストリア人民民主共和国』という名の共産主義国家になり、ソ連との関係が大幅に改善され、軍事同盟を結ぶことさえ可能になります。
今回は、ハプスブルク帝国の再興を目指すため、オーストロ・ファシズムを選択。
オーストリア・ナチ党の台頭により、着々とナチス・ドイツの勢力がオーストリアに入り込む。
これを跳ね返さない限り、オーストリアの自主独立はあり得ません。
悪名高いハプスブルク法をどうするか、という選択。
これにより、オーストリアの未来は大きく変わります。撤廃するのみにとどめるか、王(皇帝)の招請を認めるか。
史実では、オーストリアは大ドイツ主義のもとドイツに合流したものの、ナチス・ドイツの強圧的統治により、『オーストリア人』としてのナショナリズムが高揚しました。
今回のプレイでは、オットー1世の帰還で、史実よりも早くそれがもたらされるでしょう。
皇帝、首都ウィーンに帰還を果たす。
名実ともに、オーストリア帝国が復活したのです。
このハプスブルク家の復位、オーストリア帝国復活に対し、
英仏はそろって黙認。ドイツ、イタリア、ハンガリーも同じように黙認。
しかし、見過ごさなかったのがかつてのオーストリア帝国領ボヘミア地方に存在する
チェコスロバキアでした。かの国は、ルーマニアやユーゴスラヴィアに働きかけ、小協商で同盟を結び、復活したオーストリア帝国に対抗します。