ひきつづきオブリビオンに出てくる書物です。街のガイドブックですね。

シロディールにはタムリエル帝国の帝都があります。

タムリエル帝国は、ハイロック、スカイリムやモロウウィンドといった諸州を属州として従え、大陸の統一帝国として栄えています。

皇帝の専制政治ではありますが、一応は元老院と議会による合議の体裁をとっているようです。







-アレッシア・オットゥスによる案内書-

~帝都へのいざない~



Akatosh(アカトシュ)万歳!帝国と全人民に祝福を!

私、アレッシア・オットゥスが帝都のすべてをお伝えします。





*帝都*


帝都の人間といえば、誰を思い浮かべますか?

それは九大神(ナイン・ディバイン)の神国と法の守護者、そしてタロス神と聖帝タイバー・セプティムの末裔にしてタムリエル皇帝-ユリエル・セプティム陛下でしょう。

諸聖人と言葉を交わし、九大神を参拝するために、最高神の神殿に足繁く通われる陛下の善良にして敬虔な人を知らぬ者はいないでしょう。


ですが、陛下のお住まいはどこでしょうか?

それは帝都中央、帝国の宮殿内のホワイト・ゴールド・タワーです。


ホワイト・ゴールド・タワーは、遥か昔に、デイドラを崇拝する邪教徒アイレイドによって築かれました。

古代の悪の帝国によって築き上げられた堅牢な石の塔は、いまや帝国の正義と信仰のモニュメントとなって生まれ変わったのです。

帝都を訪れれば、聖人や伯爵、戦闘魔術師や皇帝の霊廟を散策したくなるでしょう。

天高く聳え立つホワイト・ゴールド・タワーには目が釘付けになるはずです。



もっとも、元老院内は立ち入り禁止になっています。周囲の珍しい鎧に驚嘆した後では、無骨な衛兵が鬱陶しく思えてきますね。





*帝都各地区*


帝都は10の地区に分かれています。中央の地区が帝国の宮殿。他の地区は中央地区を取り囲んでいます。北西の地区がエルフ・ガーデン。快適な住宅地です。左回りに見ていくと、宮殿の西に位置する場所がタロス地区。高級住宅地です。

南西が神殿地区。近くの城門の外には港湾地区がありますが、悪臭漂う不潔な場所です。

近くの城門は有名な魔術師ギルドの魔術師大学に通じています。


東側は悪名高いアリーナ地区です。最後になりますが、宮殿の北東に位置するのが商業地区です。

商業地区では、あらゆる品が手に入ります。城壁の外には、帝国刑務所があります。






*神殿地区*


私は帝都の神殿地区に住んでいます。素晴らしい場所です。読者のみなさんが、最高神の神殿に参拝する際には、是非我が家を訪れてください。夫と娘と一緒にお迎えします。とても快適な地区で、住民は気さくで上品です。

しかし、帝都の他の地区と同様に、常に乞食がうろついており、住民を悩ませています。






*植物園*


美しい庭園内では、有名な九大神像を見ることができます。

中央にはタロス神ことタイバー・セプティム帝の像が祀られています。しかし、諸神の王たるアカトシュより、目立つ場所に祀られて良いのでしょうか?この恥ずべき過ちの理由は、タロスの子孫たちから支持を得ようとする元老院の傲慢な思い上がりにありました。




*商業地区*


ここでは帝国貿易省に詰め掛ける、商人に一杯食わされた客の一団を見る事ができます。

とても汚れた場所です。乱雑に積み上げられた木箱、日陰に生えた不潔なキノコやカビ、埃っぽい通り、そして喧騒。自分で行くより召使いを送ったほうが賢明でしょう。





*魔術大学*

この場所は表現しがたいほど汚く乱雑で、スラムも同然です。

学生や魔法使いは薄暗い迷宮のような場所に身を潜め、不敬な書物な難解な書き物に執心しているため、外で彼らを見かけることはまずありません。



大魔術師塔内には、インペリアル・オーラリ(太陽系儀)が納められています。空を研究する魔術師たちに利用されています。何と愚かな者たちでしょう!九大神を軽視し、天地創造に目もくれず、このような馬鹿げた機械に付きっきりになるのは、なぜでしょうか?



魔術師たちは、希少本を納めた大きな図書館を持っていると言われていますが、それでも彼らの希少本に対する欲求が消えることはありません。これは有徳な本の喪失にはなりません。というのも、彼らの求める本は虚構で満たされているのですから。



*帝都港湾*


ここは最悪の場所です。女子供の死体に出くわすことも珍しくありません。兵士や商人と同様にタムリエルの神を信じぬ、不道徳な者たちが、善良なる市民から金銭を掠め取ろうと、ここに集まります。

ギャンブル、奴隷取引、スクゥーマ(麻薬)の吸引のみならず、倉庫や船の中では不正な取引が行われています。警備隊はどこでしょう?姿が見えません。





*帝国刑務所*


この刑務所は残忍で恐ろしく、じめじめした不潔な場所で、鎖、楔、手枷、足枷、拷問道具がそこら中に転がっています。ですが、独房で囚人を見かけたことはありません。職務怠慢で注意散漫な警備隊のおかげで、独房はいつも空なのです!


帝都には至る所に衛兵がいます。彼らは集団で行動します。

というのも、帝都のあちこちに潜む恐ろしい盗賊や泥棒に恐れをなしているのです。彼らが不埒な乞食たちを投獄しない理由は、私には分かりません。犯罪者は、通りで貴方に自己紹介するほど大胆です。

ある無法者は、帝国刑務所から武器と鎧を分捕ってきたと自慢する始末でした。職務怠慢で散漫な警備隊が、この惨状を許しているのです!


彼らは恥というものを知りません。警備隊の士官に至っては、汚職に手を染めています。彼らは入所するはずの犯罪者から賄賂を受け取っています。




*アリーナ*


この場所については教えることはありません。訪れる必要がないからです。ここに足を運ぶのは、堕落した愚か者だけです。彼らはここで博打でお金を無駄にしたり、通りに跋扈する泥棒、乞食の群れを一層にするために流されるべき血を無駄に流すのです。




九大神の祝福と守護があらんことを!



-おわり-




...というように、独断と偏見で満ちたガイドブックです。

しかし有益な情報もあり、万一犯罪を犯して衛兵に捕まっても、お金次第で逃げることができることを知ることができます。

そして通りを歩く乞食が逮捕されない理由をガイドブックでは不思議がっていますが、乞食は全て盗賊ギルドのスパイであり、それを知ってか知らずか、衛兵は見て見ぬふりをしているのです。
...ただ腐敗しているとはいえ帝都は、暗殺ギルドと称される集団、闇の信徒の影響力がないのは幸いというべきかもしれません。