(別SNSサイトで書いた記事の転載です)

CODシリーズの5作目...だったかな?






日本のみならず世界で人気を誇るシリーズですが、この5作目に関しては日本の発売はありません。
そしておそらく、今後もないでしょう。

その最大の理由が、日本軍が敵として登場するからだと思います。


今作は主に英語が使われており、ソ連人ですら英語でしゃべるので聊か不自然ですが、
しかし日本軍だけは日本語でしゃべります。



従って天皇陛下、バンザーイ!というセリフとともに、突撃してくる日本軍などが登場します。
これが完全にアウトでしょうね。日本で発売していいものではありません。
 
 
 





また、本作は米国シナリオとソ連シナリオの二つに分かれており、米国シナリオでは日本軍が敵として登場し、ソ連シナリオではドイツ軍が敵となります。




このシナリオについて、少し触れたいと思います。





まず米国シナリオ。




日米戦でのジャングルの戦いが主眼となっており、最後は沖縄戦、首里の攻防で終わります。


 









日本軍は万歳突撃してくるんですが、しかし良い的でしかないんです。
ジャングルで、茂みからいきなり飛び出してきて突撃してくるのは怖いですが。


これはあくまでゲームにすぎません。しかし、三四半世紀も前、確かに日本軍と米軍は熾烈な戦いをしていた。これは事実です。私の想像なんかとても及びもつかないような死闘、苦境だったんでしょう。
このゲームを通して、それがわずかに感じ取れる気がします。



 



 






米国シナリオのあるステージでは、こんな一幕があるんです。


プレイヤーの操作する米兵が、日本軍の地下壕へ潜入しました。
侵入に気づかぬ日本軍は、地下壕で作戦会議をしており、その会話を最後まで聞くことができます。


「奴らに日本の地を踏んだことを後悔させてやろう!」と日本語で話していますが、先へ進むためにはこの作戦会議の途中で、銃弾を撃ち込まなくてはいけない。
これが本当に辛かった。
日本兵の死体とともに残ったラジオの雑音。これに得体のしれない恐怖を感じました。




<米国シナリオで私が感じたことを正直に、率直に言うならば『恐怖』です。
これしかありませんでした。
生きるか死ぬか、当時の人たちからしたら先の見えない戦いをしていて、そして敗北濃厚の戦いをしている。
これが堪らなく怖かった。




このような状況で、このような戦場で、銃を持って戦うということはどのような心を持ってすればできるんだろう、と。
ただ、それだけを感じました。ゲームとして楽しいかどうかなど別問題です。


また、少しですが海上の攻防もあり、
その中で米兵の言う『カミカゼ』で米国の軍艦へ特攻する日本の航空機が見れます。
このシーンが何より辛かった。涙が出そうでした。






次にソ連シナリオ。
ソ連のシナリオは、スターリングラードの攻防から始まり、ベルリンで終わります


















ソ連では大祖国戦争と呼ばれ、人類史上最大の陸上戦闘となった独ソ戦ですが、このゲームにおいても非常に盛り上がりのあるシナリオとなっています。

私は日本人ですので米国シナリオは辛かったですが、ソ連シナリオのほうが気持ち的には楽かもしれません。不謹慎かとは思いますが。


ほぼジャングルの戦いに終始する米国シナリオと異なり、ソ連シナリオは、市街戦など非常に豊富なステージ構成になっており、大規模な作戦行動を取れたりなど、とにかくスケールの大きさが際立ちます




 




ウィキペディアにもあるとおり、独ソ戦のシナリオは人間の憎しみが強調されており、捕虜が銃殺されたり投降してきたドイツ兵を撃ち殺すシーンがたびたび存在します。




史実でも独ソ戦は憎しみ渦巻く戦いだったそうですから、それを再現したんでしょうか。
捕虜になっても殺されるだけだから、ドイツ兵は死に物狂いで戦ったそうです。



最終的にはベルリンの攻防となりますが、ここまで来ると悲壮感漂う戦いになります。
「総統に忠誠を!」とか「総統のために!」とか言うセリフが聞こえてきますが、この段階だとドイツの為ヒトラーの為というよりかは、自分あるいは友人が生き残るために戦っているにすぎません。


ベルリンの攻防の独ソ兵力は、ソ連軍が約200万。ドイツが10万に満たないうえに、少年や老人すら駆り出しており、もはや勝敗は火を見るより明らかだったと言います。





ソ連の戦車T-34/85も度々登場。





パンツァーファウスト、パンツァーシュレックがやたら飛び交う上、ドイツの抵抗が苛烈なので真正面から打ち合うよりも、地形を利用して浸透戦術をとる方がよっぽど楽。



そしてソ連シナリオはライヒスターク(帝国議事堂)で幕引きとなります。






ラストを飾るこのシナリオは、他のシナリオと比較して非常に長く、難易度も高いです。
これを突破すると、ライヒスタークのハーケンクロイツを引きずりおろして赤旗を掲げるという、史実でいうライヒスタークの赤旗を再現して物語は終わりとなります。


恐らく史実で起きたものよりもドラマ性を多分に含んでおり、しかもソ連国歌が流れるという手の凝りよう。









以上でソロプレイは終わり、後にはエンディングが流れます。


このゲームは私にとって色々考えさせられたゲームでした。