僕はヒトメボレをしてしまったのだろうか?

恋をしてしまったのだろうか?

第三話「恋、したのか?」



そういえば、僕はまだ彼女の名前を知らない。

何て言うんだろう?

でも君の事が気にならなければ

別に知らなかったはず・・・。

いやいやそれは駄目だ。

さすがに同じクラスなんだし。

知っておかなかったら失礼だしな。

誰かに聞けば・・・と言いたい所だが、

聞ける相手が残念ながら僕にはいない。

そういえば今日はクラスの係りを決めるから、

彼女が立候補とか推薦されるかもしれないし・・・

でも見てると

彼女は人とあまり関わらないようなかんじがする。

どうすれば

彼女の名前を知ることができるのだろう。



人と関わること、それは何よりも恐ろしいこと。

それは十分中学時代に思い知った。

それでもたまに誰かとしゃべりたいと思う。

それはわがままなのだろうか?

たまに”空は私に語りかけてくれる”なんて

誰が言ってるけど

毎日空を見つめている私からすれば

全くしゃべってくれない。

でも私はそんな空が好きだ。

そこにいてくれるだけで私は癒されている。

確かに元気づけられている。

でもそれが人間だったら・・・なんてたまに思うんだ。

そんなの無理なんだけど。



授業が始まる。

彼女の名前を知るチャンス。

よーく考えたら出席をとれば知れる。

注意して聞かなければ。

「有田美咲。」「はい」ー違う。

「宇野七海。」「はぁい」ー違う!

ー岡本奈々紗。ーはい。

あっ、この子だ。

彼女の名前は、岡本奈々紗。黒い髪の黒い瞳の女の子。

彼女の名前を知れてすごくうれしい。

頬が熱くなってきた・・・

いろんなこと知れたらいいのに。

見てるだけじゃ物足りなくなってきた。

さっきわずかながら声を聞けた。

岡本さんは話したらどんな子なんだろう?

どんな話をすると笑ってくれるだろう?

彼女とはまだ挨拶も話しもまだしてない。

ただほんのちょっと目を合わせただけ。

それだけなのに、彼女のことを知りたくなる。

ー彼女に僕は

 ヒトメボレをした。



そういえばさっきの男子の名前は

「竹田淳」っていうんだ・・・

まぁどうでもいいけど。

授業が終わった。正直あの担任の授業は眠くなる。

さて屋上でも行くことにするか。

それよりクラスの女子はうるさい。

「昨日のテレビ見た?」「あの人かっこよかったね~」

これぐらいならまだマシ。

そこからなぜか騒ぐ。キャーキャーキャーキャー

ほんっとにうるさい。近所迷惑だ!

早く屋上に行って・・・

担任がいきなり

「席に着け!大切なこというの忘れてたよ~」と言い出した。

とりあえず席に着く。

「今度、男女一組4人であるテーマについてレポートを発表してもらう。」

「組って自分たちで決めるんですか?」そんなこと別にどうでもいい。

「もちろん先生が決めるんだよ~明日組について発表するからな~」

また面倒くさいことを。

あの男子ならまだいいか。って

まだあいつのことよく知らないのに

何を言ってるんだ私は。

でも確かにあの男子は他とはなんか違うような気がした。

知ってみるのも悪くないのでは?

       つづく


いかかでしたか?

”ヒトメボレ”第二話「彼女のことをもっと・・・」。


小説わ

難しいですのぉo(〃^▽^〃)o


ぜひ

感想お聞かせくださいニコニコ


ーこんな感情面倒くさいな。

 それでももっと彼女を間近で見たいと思った。

第二話「彼女のことをもっと・・・」



なんだか屋上は彼女のもののような気がした。

まるで

”屋上は君の来るところではない。立ち去れ。”と

言っているようだった。

だから僕は反射的に教室に戻っていた。

しかし、教室じゃ正直息苦しい。

でも、屋上は彼女のものだしさ。



さっきの男子は一体なんだっただろう。

他のやつらとは違うものを感じたものの、

別に興味ない。

だってろくなやつはこの学校にはいない。

私の唯一心を許せている人、

それは”川村藤子”。

藤子でもたまに話すだけ。

人と関わらない、これでいいんだよね。



授業開始のベルが鳴る。

彼女が、

戻ってきた・・・

あぁ

ずっと彼女を目で追ってしまう。

どうしたんだ俺。

こんなの面倒くさいだけだ。



さっきの男子発見。って

何やってるんだ私。

どうでもいいし、そんなやつ。

人と関わるもんじゃない。

そう中学時代に教わった。

辛い中学時代だった。

なんど生きることをやめようとしたことか。



名前は何て言うんだろう。

住んでいるところは?

誕生日は?血液型は?

中学はどこに通ってるんだろう。

すごく彼女のことを知りたい。

どうして一目彼女のことを見ただけなのに

こんなに感情が溢れてくるんだろう。

これはまさかのまさかの

恋、

なのか?

ヒトメボレ、

なのか?

    つづく