乳児が受ける予防接種の中に『ポリオ(小児まひ)』がありますが、国内で集団接種などに使われている『生ワクチン』は、ウイルスが含まれていて、毒性を弱めてあるが、厚生労働省によると100万人に1・4人の割合で手足にまひが発生する副作用がみられ、接種した子どもから家族に感染する場合もあります。
このことを不安視する保護者が、ウイルスを殺して毒性をなくしてある『不活化ワクチン』を自費で接種することに踏み切っていました。
『生ワクチン』による定期接種は公費負担のため親の負担はないのに対し、『不活化ワクチン』を希望する人は輸入品を扱う医療機関を探し、全額自己負担で受けざるを得ないようです。
負担は1回5000~6000円程度で、計4回接種が必要です。また、万一副作用が起きた場合も、国の救済制度は適用されません。
「早急に『不活化ワクチン』を自己負担のない公費で接種できるようにするべきだ」という声を受けて、国は、今年の9月1日から『単独不活化ワクチン』の導入を決め承認されました。
9月の導入まで、『生ワクチン』の接種を控える保護者が増えています。
国は、「導入まで生ワクチンの接種を控えることはしないように」と呼びかけていますが、どんなに低い確率であっても、生ワクチンを接種して、自分の子供がもしポリオ(小児まひ)になってしまったらと思う保護者の気持ちからすると、確率なんてものは関係ないのだと思います。
また、導入まで『不活化ワクチン』を受けさせたくても、自費の負担と、国の救済制度が適用されないこと、不活化ワクチンを輸入している医療機関が少なく、受けるとなると県外まで行かなくてはならなかったりする理由で、接種を控えるという選択しかないのが現状のように思います。
このような状況は、国の対応が遅すぎた結果だと思います。