私たちは他人に戻った。
他人というのはその名の通り、
全く関わりの無い赤の他人だ。
2年のうちにあの人には運命の人が現れる。
それをじっと待つ。
それは私と別れる言い訳ではない。
別れた理由は別にある。
ただ、私はきっとそれを受け入れていない。
あるいは受け入れられないのだ。
心の中をぐちゃぐちゃにされてしまう。
それは私もあの人もそうだった。
どこかでずっと愛している。
どこかでずっと傷付いている。
どこかでずっと謝っている。
どこかでずっと償おうとしている。
それができなくなってしまった。
もう2年は過ぎたけれど、あの人に会いに行けない。
きっと私の事など忘れて、いい人がいるに違いないのだから。
預かっているものを返しに行くだなんて、格好の悪い言い訳をしてノコノコと会いに行けない。
プライドという名の足枷なのか、心を揺さぶられたくないからなのか。
それを押して、あの人に会いに行くとしても、私はきっと変な歩き方になってしまう。
浮き足立って、差し足になって。