私と母は、仲のいいほうだったと思う。

学生時代に京都で一人暮らしの下宿にも

数え切れないくらい観光に来て

京都の桜🌸紅葉🍁名所⛩を

相当一緒に巡った。

私が社会人になってからも

箱根、越後湯沢、日光、北海道など

何度も数え切れないくらいに

国内旅行をした。

これまた健康保険で

お安く利用できるレストランで

河豚懐石、イタリアンコースなどなど

都内で食事もよくした。

嗜好、思考が似てる所も多いから

仲が良かったのだろう。

とはいえ、

全てが似ているわけではなく

半分くらいだろうか。

だから、なまじ仲がいい面がある分、

衝突も多かった。

数え切れない旅行は、

ほぼ全て毎回、旅行中に喧嘩になった。

今となっては、何が原因だったか

全く思い出せないが

毎回毎回、私は腹を立てていた。

実家の帰省もそうだ。

ほぼ毎回、二度と帰ってくるもんか💢

と思って、涙を浮かべて

家を出ていた。

それほど悪い関係性ではなかったが

いつしか年に1回くらいしか

帰らなくなった。

13年前に、私は心の病になった。

仕事、会社でいろいろあり

適応障害と鬱病のようになった。

一人暮らしで取り乱し

だんだんおかしくなっていった私は

とにかく自分を受け入れてくれる人、

味方になってくれる人、

安心できる人が欲しかった。

あろうことか

姉からは、ざまあみろ、と言われた。

母は、電話では、いまいち私の深刻さが

分からないようで

私は涙に暮れた。

やっとの思いで休みの日に、実家に帰り

母に対して弱気に打ち明けていただけなのに

父からは、唐突に大声で怒鳴られた。

今でもよく覚えている。

その瞬間、私は身の危険を感じる恐怖心で

いっぱいになり

2階に駆け込んで、鏡台の所にうずくまり

頭を抱え込んで怯え切った。

母は、ことの事態を分かったようで

そこから後は

いつも、いつでも家に帰ってきなさい、と

受け入れてくれた。

幸いなことに

私は立ち直り、仕事も昔の仲間が助けてくれ

なによりも人生の伴侶に巡り会えた。

その頃の母との関係性は

悪くはないが、特別近くもなかった。

その自分の心の病と、立ち直っていく過程で

人は1人なのだ、私は自分の家族が欲しい、

それは自分が作っていくものなのだ、と

分かったからだ。

もしかすると、これが、ようやくの

親離れであり、独り立ち、自立だったのかもしれない。精神的にという意味で。

ただ、まだ、母には甘えていたように思う。

新婚生活で自分の幸せばかりに夢中だった。

その頃には、母は体調の変化、悪さを感じ始めていた。

私は、加齢でそういうものだろう、と

大して母の状況を気にかけてもいなかったし、

思いやりも少なかった。

その後、母は病気が判明し

治療方法のない難病を宣告されていた。

私がそれを打ち明けられたのは

その2年後くらいだったように思うが

その時のことを覚えていない。

私は理解してなくて、母の身になって考えていない、思いやりのない私だったことを

物語っている。

ただ、それからまもなくして

母の咳に気付くようになり

母自身が風邪を極度に恐れる言動を見聞きして

あぁ、あと数年なのだと

ようやく実感したのだと思う。

今から5年前に

旦那さんと両親と一緒に4人で

おそらく最初で最後の旅行かも、と企画した。

ちょうど大河ドラマ真田丸のときで

保険保養所で、真田の里の宿が取れた。

母は、風邪をひくことを恐れ

父は、いまいち頼りなく面倒くさがって

結局、両親は早い段階で旅行を断った。

それ自体は別に構わないのだが

これも、あぁ旅行好きだった母が

躊躇するような状態なのだと、

逆に私の理解が進んだように思う。

おそらく、この2016年10月の後からだ。

私は、母にとって何がいいだろう、

自分との思い出も作っていきたい、

と、徐々に意識するようになった。

この頃から、母を困らせるようなことは

していないと思う、たぶん。

そして、母を理解しようと努め始めた。

しかし、

ずーーーっと理解できなかった所が

2つあった。

どうして、そういう言動をするのだろう？という

私とは違う価値観というか。

それを否定するわけじゃないが

私はそれを理解できず、どちらかといえば

あまりいい感情では受け止めていなかった。

それがなんと！

母が亡くなる1週間前に

やはり同じことを気になり

旦那さんにボソッと話した。

その翌日、母から電話があり

今思えば、あれが最後の長くしっかりした声で、いろんな話をした電話だった。

そのとき、私は思い切って、聞いてみたのだ。

聞きにくいことだったが

一番疑問だったことを。

母は教えてくれた。

なーーーんだーーーー🤣

そゆことーーー❗️

でも、言われてみれば

あぁそうだね、うん、分かるよ私も😆

という同じ感覚の簡単なことだったのだ。

それをキッカケに

もう一つ長年疑問だったことの謎も

自分で解けた。

生前に、この長年疑問だった母の謎が分かり

本当に嬉しかった。

意識がなくても、分かったよと語りかけよう〜と思って

ノートに書いた翌日に

会うことなく旅立ってしまったけど😅

そして、亡くなった翌々日にも

最近思っていた謎2つの答えも分かった。

全部で4つ、答え分かったよと手紙にして

母に持たせることができた。

これで全部かなーと思っていたのだが

昨夜、私の家の二階の和室で寝転び

この家を作る時、

おそらく父が先だから、その後

お母さんがこの部屋に来てもいいねーと

話してたねー、そうだったねーと

旦那さんと会話してて

ハタと初めて思ったのだ。

こんなに哀しくて辛いけれど

母が私を見送るのではなく

ちゃんと？順番通りに

私が母を見送ることができて

良かったーーー😌と思ったのだ。

自分が母の立場なら

なんと嬉しいだろうと思ったのだ。

あぁ、母が本当に最後にまだ

意思表明できて、指差しで示して

気を利かせてくれた看護師さんが

代筆で私にメールしてくれたのだが、

ありがとう

だった理由が分かった。

母が幸せな気持ちで

私から見送られてるのを認識して、

ありがとう、と言ってくれたんだなーと

分かったよ。

人を理解するとは

これほどに難しく、

でも心底相手の身になって想いを馳せれば

これほど自然に分かる感じることが

できるんだね。

最後に会ったときに

ツボミを見せたら目を見開いて驚いてたけど

百合、咲いたよ。

長年の謎が解けた