昨春、母が亡くなった後、父が一人で実家に住んでいた。

父は、2,3年は一人で暮らせるよ、その後は老人ホームかなーと言っていた。

ほどなく入院となり、筋力低下で自立歩行できなくなり

医者からも退院は厳しいと思うよ、と言われてたが

父はリハビリに火がつき、今年2月に張り切って退院した。


その退院した日は、今後お世話になるヘルパーさんやケアマネさんと

リビングで快活に話し、その時も、まぁこんな感じで2,3年はここで生活して

その後は老人ホームかなーと元気に話していた。

そうだね、いずれそうなるから、ぼちぼち一緒に探していこう〜と話していた。

その間に、実家も徐々に片付け、いつでも売れるようにしていこう〜などと

私は思っていた。


まさか、その2日後から、歩かず食べず状態になるとは😅


父も亡くなり、来年までには不動産相続しなければいけない。

私は他県で持ち家なので、将来、住むことはない。


相続手続きは、昨年に続き、同じ税理士事務所に頼んだが

家をどうするか具体については、自分で考え動かねばならない。


ようゆく重い腰をあげて、まずはググる😆

それっぽい所をポチッとし、無料査定を申し込んでみた。

早速、昨日今日と電話がじゃんじゃん来る。

なんとなく相場と流れは分かった。ふぅ。


同時に、実家近辺の中古住宅情報をネットで見てみた。相場感は同じ。

家の間取り、外観、内観写真が掲載されている。

10年前に自身の家を買おうとしたときも、よく住宅情報を見たものだが

たまに地域新聞でも中古住宅物件チラシが入っていて

割とそういうのを見るのが好きで、よくある見慣れた写真や図だ。


今までは、へーこんな家なんだ〜と無機質な物件としか見ていなかったが

今までにはなかった感情が込み上げてきた。


そう、この家も、以前、どこかの家族が住んでいたんだなぁ、

犬もいたのかしら、ここで団欒風景があったのかしら、

庭ももっと違った感じだったのかもなぁ…と自然と想いを馳せた。


昨年、父が入院してから実質、空き家状態だったのだが

たとえ空き家でも、しばらくこのまま実家のまま残したいなぁ、

たまに家に帰れば、「ただいま」と家に入れば

「お帰り」と声が返ってくるような感覚と、実家の匂いがしたし、

家まで無くなってしまうのは寂しいなぁと思っていた。


ただ、最近は、まるでまだ母と父がいるような気配というか匂いというか、

そういったものが徐々に消えていっているのが、帰るたびに分かる。


先月、ご近所にお香典返しを配った後に、ふと外から我が家を眺めてみた。

初代、二代、三代目のワンちゃんが、門の中の階段で尻尾を振って

私を待っていてくれたなぁー、たいてい庭に母がいて、色々やってたなぁー。


そんなことを思い出した。だけどもう、泣くことはなかった。


そして、こう思うようになった。


また新しい家族がこの家に住んでくれるほうが、いいなぁ〜と。


そうなったときは、もう家に帰ることはできないわけだけど

こうやって外から眺めた時に、どこかの家族が暮らしているほうが

あったかい気持ちになれそうだな、そう思ったのだ。


いつか処分しないといけなきと分かっていたが

なんとなく自然とそういう気持ちの変化が出てきて、よかった。


きっと中古住宅物件には、一つ一つの人生とドラマがあるんだね。


まだまだ今からなので、早くて1年、長くて3年以内かな。がんばろー!