正義の味方に捕まった。
僕は悪者じゃない。
もう逃げられないか?
「お前バッカだなぁ~」
正義の味方は言った。
僕は何故か加速変換装置という名の高速で走れるようになる装置を持っていた。
感覚としては浮いているというか飛んでいるというか。
僕は街中を駆け抜けた。
注意したことと言えばエンゲージ(engauge)というガードレールみたいなものを越えないこと。
いつもは変なバリアのようなものが張られていて、通常、越えることは不可能。
しかし、加速変換装置ならば通り抜けることが可能。
原理なんて知らない。
でも、通り抜けると正義の味方がやってくる。
だから僕は通り抜けないように慎重に激しく駆け回った。
ある時急カーブに差し掛かった。
加速変換装置が異常を警告する。
エンゲージに突っ込む。
つるりと貫通した。
よくある話だが、そこは別世界だった。
全く知らないはずの場所だったが何故か懐かしく思えた。
たまたまそこに立っていたのは小学校。
自分が通っていた校舎とは違うが、やはり懐かしい。
一階の窓越しに職員らしき人が笑顔で手招きをしている。
僕の足は自然に歩き出した。
おそらくここが職員室。
中に入りなさいと言われ、入った。
座った椅子は新品のはずなのにやたら軋む音がして今にも壊れそうだ。
次の瞬間、加速変換装置を取られた。
どうやって取ったのかわからないが、職員、いや、正義の味方の手には装置が握られている。
正義の味方に捕まった。
僕は悪者じゃない。
もう逃げられないか?
