正直に申し上げると、
時代に埋もれた職人の足跡や、今は亡きブランドの物証をどれほど掘り起こし、その価値を再定義したところで、すでにこの世を去った彼らに経済的な恩恵をもたらすことは叶わない。

本や音楽のように、印税や使用料が彼らの手元に届くわけではないのだ。

現代における経済的合理性を考えれば、最新のトレンドや、現存する分かりやすいブランドを追う方が、よほど効率的であることは百も承知している。

では、なぜ私は歴史の地層に深く沈んだアーカイブを掘り起こし、再び人々の眼前に呼び覚まそうとするのか。

答えは、その断片から立ち昇る「思い」にある。

かつて、名もなき職人が丹精を込めた仕事を遺したとき、そこには確実に、採算を度外視した「執念」が宿っていた。




私は、その消えゆく「思い」を拾い集め、現代へと紡ぎ直したいのだ。

報われることのなかった彼らの手仕事が、時を超えて誰かの心を震わせる。

その橋渡しをすること。例えそれが、効率化という波に呑まれた現代において、愚かで無意味なことだと嘲笑されたとしても。

靴でも、服でも、あるいはレコードでも、忘れ去られたアーカイブを解読していると、時に問われることがある。「なぜ、そこまでするのか」と。




効率や損得という物差しを捨てて、消え去った職人の手仕事の跡やアーティストの偏執的なこだわりに触れるとき、私は彼らから、言葉を超えた「何か」を受け取ってしまう。

その瞬間、私は彼らの同走者となる。

効率化という巨大な潮流の中で、零れ落ちてしまった手仕事の断片を拾い集め、一つに繋ぎ合わせていく作業は、時に困難を極める。

しかし、そこには「ノスタルジー」と「新鮮さ」という、コインの両面を同時に覗き込むような、何物にも代えがたい醍醐味がある。

ブランドという記号を剥ぎ取り、その奥に潜む本質を見極めること。


それは、自分自身の規律を確立し、人生という戦場を生き抜くための「豊かなる武装」に他ならない。

ここでは、私が受け取ったその「思い」を、物証と共に記録していく。






真の審美眼を持つ先達たちが守り抜いてきたクラシックの系譜に敬意を払いながら。

私は私なりの「解釈」という名のメスを入れ、この世界の輪郭をより鮮明に描き出したい。

これは、単なるファッションの記録ではない。

知性を、規律を、そして職人たちの遺した執念を纏うための、終わりなき探求の書である。


「より深い深淵」の全容、12,000文字に及ぶ核心部はNOTEにて公開しています」




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