外国人ときちんと付き合うのが初めてだったあたしにとっては何もかも新鮮だった。
レディーファーストなこと。
たくさんの友達に紹介されること。
買い物に行けば、重い荷物を持つことも無ければ、財布すら出すことを許されなかった。
友達の家に行けば、座ってれば飲み物や食べ物が運ばれてくる。
日本のことを目を輝かせて聞いてくる友達たち。
いつの間にか、彼ありの生活が中心で、彼ありきの友達、ばかりだって気付かなかった。
あたしが帰国する予定の日程が近づいてくる中、毎日のように一緒に過ごしていた。何度も帰国予定日を伸ばして欲しいと懇願された。
年末年始は家族のもとに帰りたいから、無理だと何度も断った。「それなら日本に一緒に来れば?」
彼の息子にも会ってたし、あたしの母とも電話で話してたから自然な流れだった。
「今は仕事でここ離れる訳にはいかない。知り合ってまだ数ヶ月だし、日本に行くには覚悟がない。毎日電話するから、大丈夫」
でも、1週間に1日は連絡が取れない時があって、しんどくて寝込んでたとか、仕事が忙しくて。。って言い訳だった。こんなに近くにいても、こんな状態なのに日本に帰っても大丈夫な訳ない。
ましてや、ここに来て別の人に心変わりしたことが自分自身驚いたことだったし、日本帰ってまたそうならないとは限らない。
帰国予定日が迫る中、会えない日があると不安になった。
このまま、別々の場所に行ったらどうなるんだろうって・・・
学校最終日、テストの日。
母に電話した。まだここにいたい。彼とのこと中途半端で日本帰りたくない。
帰国予定日を一旦観光ビザのままでいれるギリギリまで伸ばし、大家さんにもそれでいいか確認して、彼ともう一度話した。
「ここにいることにする。離れることが想像できないから」
すごく喜んでくれた。それから、移民手続きの弁護士を二人で探したり、連絡をとってもらったり毎日移民手続きのことでお互いに新しい情報が入れば伝えあった。
家賃が高いと前から気にしてた彼はある友達のところにルームシェアするのはどうかな?ってある日提案してきた。しかも、あたしの家のすぐ近所。
シングルマザーで二人の子供がいるらしく、ルームシェアするなら金銭的に助けることにもなるって
ただ、実際見せてもらうとリビングしかなくて、あたしもいい大人だから、自分の部屋がないのはキツイということでお断りする。
「クリスマスはどうする?この友達の家でディナーでもどう?」
「クリスマスの予定はあなた次第だし、ここに来るなら一緒に来るよ」
年末まで何度かそのシングルマザーの家でディナーをご馳走になったりしてた。
年明け、また3人で会うことがあり、彼は仕事であたしたちは別の友達のパーティーに行くことになった。
そこで彼女がふいに「家族に紹介するってどう思う?彼のこと」と聞いてきた・・
あたしは「え?紹介って友達として、家族に紹介するってこと?」
「いや、彼氏として・・・やけど、彼はあたしのことあなたになんて紹介したの?」
「普通に友達やって。。。彼氏彼女って確証ある?」
「え?彼に聞こうか?」
「あたしたち9月に出会ってからほぼ毎日デートしてて、関係持ってるよ。だから、帰国するのもやめてん。」
「3月に出会って、4月から交際するって話になって。。。でも、10月と11月ぐらい1ヶ月以上ブランクがあったわ・・・あなたがいたからなんやね・・・」
あたしはえ?どうしよう・・・家族にもここにいること、彼のこと伝えて、高いフライトもキャンセルして。。。日本人の彼とも別れたのに。。。
頭の中が真っ白になって。。パニック状態。。
「新年あけましておめでとうっていつメール来た?」と聞くと2時am 4時amって答える彼女
あたしは4時半にもらってた。そこでわかった。あたしがセカンド扱いだったんだって・・・
家まで彼女に送ってもらい、冷え切った体で考えた。。多分彼が関係続けたいのは彼女なんだろうって・・・
日本にいつ帰るかわからないあたしよりカナダ国籍持った、年齢も近い彼女がいいんだろうって。。冷静に彼の視点になればそうだろうなって想像ついた。
この数ヶ月の過ごした時間なんだったんだろうって。。悲しすぎて、動揺してた。この先どうしよう。この気持ちどうしようって・・・
ここにいる日本人の友達に電話してみた。。でも年始で家族のところにいた友達にはつながらず。。
親にもなんて言えばいいのかわからなくて・・・
合わす顔のない日本人の元彼に電話してみた。。。
つながらなくて、当たり前だと思った。でも、返信があった・・
「どうしたの?」
その日わかったことを全部話して「そうなることはわかってた」って・・
海外に留学やワーキングホリデーに行って日本人の女の子が外国人に騙されることはよくあること。
日本人の友達に後で電話した時にも同じことを言われた。
一度ひどい目にあったから、自分は絶対違うって信じてた。。。でも、違った。。。
2、3日間泣いて泣いてここでの生活がこんなに孤独な生活だっていうことに慣れるのに時間がかかると思った。
失恋したぐらいでって思うかもしれないけど、人生をどこで歩むかどんな風に歩むかたった一人の人と出会っただけですべて変わった。
スロバキアのyoutubeを見せられて、いつか一緒にここで暮らすのはどう?って何度も聞かれた日々
人目もはばからずどこでもしてくれる愛情表現。。
たった5分でも会いに来てくれること・・・日本に帰りたいなんて一度も思わなかった。。
むしろ帰国予定日が近づくにつれ悲しくなった。
知り合ってすぐに交際になったから、日本にいる友達や家族も驚いてた。ルームメイトや大家さんもすごいよね!って、、
もちろんお互いのことが理解できなくてケンカした時もあって
その度、尽くしてくれる彼の姿を見てるルームメイトたちが
「本当にいい人だよね」ってその言葉で別れを留まったこともあって・・・
完全に騙されてた・・・
疑うこともなかった。。。でも離れて思うのは、あたしには彼でなかった。彼にとってもあたしでなかった・・ただそれだけなんだって思った。