最近、世間を賑わせている話題。

アイドルと恋愛禁止について。



仕事と恋愛ってどんな関係性なのか。

恋愛禁止って誰のためのルールなのか。

アイドルが恋愛するのって駄目なことなのか。



僕は特定のアイドルを応援していないですし、

外野からの無責任な意見になりますけど、

思考整理の様子を公開ということで、

今日は思うところを書いていきます。



まず最初に仕事と恋愛の関係性について。


仕事って私生活のためにするものだと思うので、

恋愛しているときに仕事をより頑張れるなら、

禁止どころか恋愛した方が絶対いいと思います。


ただ、恋愛を仕事のエネルギーにするのは、

ものすごく難しいとも思います。


まず、切り離すのが難しいと思うのです。

仕事中に交際相手のことを全く考えない。


そんなの数年付き合ったカップルとか、

冷めて別れる寸前とかしか無理なのでは…。



それに恋愛中は気持ちに波が出来がちなので、

絶好調の時はいいけど絶不調の時は…。


絶不調なんてない。ずーっと絶好調。


そんな恋愛なら問題ないでしょうけど、

そんな恋愛は多分存在しないでしょう。

恋愛って理性ではなく感情でするものですし。



ましてや、その仕事が「アイドル」となると、

恋愛がプラスに働くのは稀だと思います。



そう思うのには色々な理由があるので、

ここからはアイドルという仕事の特殊性と、

恋愛禁止って誰のためのルールなのかについて。


思うところを書いていきます。



そもそもアイドルとはファンの偶像であり、

そこに在るのは嘘で塗り固められた世界で。


アイドル活動とはあくまでも仕事であり、

嘘だとわかった上で楽しむのが普通で。


それはディズニーランドだったり、

お化け屋敷みたいな世界なのだ。



と、演者やファンが認識しているのなら、

凄くシンプルな話なのですけど。



実際はそんなに単純ではない気がします。



アイドルとしての演者がいて、

アイドルをしていない演者もいる。


そんなの、多分ほとんどの人はわかっていて。


でもアイドルとして存在している演者は、

演者でいる間はファンに対して嘘はつかない。


全力で、本気で、ファンと真剣に向き合って、

アイドルという存在でいようとしてくれる。



大前提としてそこは創られた世界なんだけど、

でも演者から伝わってくる熱を帯びた気持ちが、

一緒に過ごすその時間を、空間を、届く言葉を、

嘘ではなくリアルだって感じさせてくれる。



だからその場所を、一緒に過ごした時間を、

好きになれるのだと思います。



そして湧き上がる好きという気持ちの熱量を、

自分の中に感じたとき。



演者はただの偶像ではなくなり、

特別な存在になるんだと思います。



(この世界は)嘘かもしれないけど、

(この気持ちは)嘘じゃない。


みたいな。


その気持ちを双方向で共有することが、

アイドルとファンの信頼関係であり、

嘘を現実にする鍵なんだと思います。



さて、それでは恋愛禁止というルールは、

誰のため、何のために存在するのでしょうか。


まず仕事における本音と建前というのは、

誰しもが持っているもので。


そして本音を隠し、建前で取り繕うのが、

「普通」であり「大人」なのだと思います。



アイドルは恋愛を禁止している。

これはどう考えても建前でしょう。


表向きはそうなっている、と言うか。


でも建前を演者とファンが共有することで、

「皆のこと大好き」が成立するんですよね。


恋愛禁止という建前が、

「その世界での真実として」

そこに在るから。


演者はアイドル活動というお仕事のことを、

お金を稼ぐ手段とは考えていないのだと。


アイドル活動というお仕事そのものを、

仕事として楽しんでいるのだと。


信じることが出来るのだと思います。



だからつまり恋愛禁止というルールは、

ファンが振りかざす矛にもなるし、

演者を守る盾にもなるのだと思います。



そしてこれは少し偏見が過ぎるかもですけど、

大人というのは子どもに憧れるものです。


大人社会の「普通」ってやつに嫌気がさして、

「普通じゃない世界」に憧れてる気がします。



つまり、こう、何だろうな。



建前でしかない恋愛禁止というルールを、

建前ではない本音だと信じることで。



自分たちの関係性は建前を超越したものであり、

そこに在る繋がりを、本物だと思えるのかなと。



こんなことを書くとまさに、こう、

夢見る少年という感じですけど。



冷めた大人に視点を移してみればつまり、

わかりやすい、見えやすい壁をあえて作って、

それを越える演出を挟み込むことによって、

繋がりをより強いものにしている。



という表現も出来るんですよね。

恋愛禁止には色々な思惑がありそうです。



ただまあ、信じるものは救われるというか、

信じないと何も始まらないと思うので。


信じたいものを信じるのが一番です、きっと。



それでは最後にもう少しだけ。

アイドルが恋愛したら駄目なのか、について。


もう答えの予想はつくかもしれませんけど、

僕の意見を書いていきます。



恋愛したら駄目なのか、してもいいのか。

そんなの、演者の自由だと思います。


自分の一度きりの人生なのだから、

好きにしたらいいと思うのです。


いや…この言い方は多分ズルいんだろうな。

好きに出来たらいいのに、になるのかな。



色々と考える中で気付いたのですけど、

自由には当然、責任が伴うわけで。


何をしたら、どういうことになるのか。


自分で把握して、考えて、行動するのが、

そりゃあ一番良いのでしょうけど、

実際それは難しいとも思います。



10代の子だって沢山いるでしょうし、

20歳過ぎたら成人とは言いますけど、

社会という枠ではまだまだ子どもです。

圧倒的に知識も経験も足りてないはずです。



だからきっと会社はアイドルのことを、

プロデュースする必要があるのだと思います。


どうすればよりお金を稼げるのか。

会社の考え方は、基本これだと思います。


そしてそうなると、です。


アイドルという存在の方向性を考えるのは、

そりゃあ一筋縄ではいなないと思います。


アイドルではない素の自分が土台にあって、

アイドルとしての自分がその上にいて。

自分の周囲には会社の思惑という壁もある。



3者の想いを一致させるのは難しいでしょうし、

アイドルにも感情というものがあるわけで、

抑えつけるだけではきっと嫌になるでしょう。



こうして色々と考えてみると色々な意味で、

アイドルって難しいんだな…。



まあアイドルという存在に限らず、

人前に出る仕事は、人気商売の仕事は、

きっと似たようなものなのでしょう。



自主性を尊重しながら枠はしっかりと決めて、

折り合いをつけながら良い距離感を保つ。


本人がキラキラと輝くからこそお金に繋がり、

こんなことしたいと応援したいが噛み合う。


そんな活動が出来る環境(会社)に居られたら、

居心地いいだろうなぁ。



と、いうことで。


どうにもこうにも整理しきれそうにないので、

今回はここら辺で止めとこうと思います。



どうするのがいいのかの答えは、

結局さっぱりわかりませんでしたけど、

自分の気持ちだけはよりハッキリしました。



嘘を重ねて皆を騙すのは演者もツラいだろうし、

その嘘は思い出さえもグラつかせるから。



難しいのは百も承知ですけど、

異性としての魅力だけじゃなく、

人間としての魅力に魅力されながら。


最低限の嘘しかない世界の中で、

嘘の無い気持ちで繋がれたらいいな。