マンション共有廊下を挟んで向かいの家に
数時間前から茶色い紙袋が置いてある
それを私は時限爆弾じゃないかと
疑っている
疑って恐れている
一一一一一一一一一一一一一一一一一
深夜1時
飼い猫チビがベッドの上で突然
ビクっとして
玄関の方を凝視しはじめた
ただ一点を見続けている
目の前で手をヒラヒラしてみる
目の前で変顔してみる
バックハグしてみる
普段は嫌がる後ろ足を触ってみる
全く反応せず、ただ玄関を見続けている
これは確実に
「なにか」を感じている動きだ
猫はたまに敏感に何かを感じとる
地震や幽霊、
「人の僅かな気配」、「ごく小さな音」
すぐに家中、そして地震速報も確認した
違う
外に、、誰かいるのか?
恐る恐る玄関の穴から外を覗くと、
向かいの玄関前に無造作に何か置いてある
茶色い紙袋だ
置き配にしては封は閉じていない
近所の人が軽く差し入れを置いた
そんな雰囲気
だが、オートロックで単身者ばかりのマンションにそんな文化はない
15分程じっと玄関方向を見つめたままのチビ
私は紙袋と交互に見ながら
ふと、これはとんでもなくヤバい物なのではないかと思った
深夜1時、人の僅かな気配、ごく小さな音、、、
これは
チチチチチチチチチ、、、
時限爆弾、、、?!?
一時停止していた映画を完全に消し、
玄関からできる限り離れ
ネットで時限爆弾について調べはじめた
時限爆弾のカタチや威力
自分だったら2時ぴったり3時ぴったりとかにスイッチを押すだろう、だから半端な時間は大丈夫だ、いや語呂合わせの可能性もあるイイクニ1192?イイニク1:29イイフウフ1:22イイニイサン1:23
何かあった時の証拠としてチビの様子と紙袋のことを手帳にメモした
いつでも避難出来るよう現金、カードとペットリュックをまとめておいた
チチチチチチチチチ、、、
そして、、
紙袋は紙袋のまま
チビは優雅に寝始めた
そろそろ電気を消して
コンタクトを取ろう
