ポスターの修復&裏打ち~その2 | LIGHTLEAF

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コレクションしている中森明菜、松田聖子、
菊池桃子、斉藤由貴、南野陽子などの告知ポスター、企業広告ポスターを紹介するブログ。

 

依頼させて頂いたのは愛知県にある表装具師さまです。

 

 

裏打ちとは、ポスターの裏面に薄い和紙を貼り、ポスターの補強、皺を伸ばす事です。

 

 

現物を送付して折り返し頂いた回答は、

 

ポスターの紙質が厚いので、皺を完全に延ばす事は不可能であり、

 

折れや皺によってインクの剥がれ落ちた個所の修復も不可能ということ。

 

 

以前、他の業者にポスターの皺伸ばしとして裏打ちを依頼した事があります。

 

そこはコピーするかのように機械にセットして自動で裏打ちをするだけでした。

 

ゆえに・・・ポスターはシャキッとしますが、皺部分に関しては機械任せなこともあり

 

満足できる仕上がりではありませんでした。

 

 

今回は、単なる機械的な「裏打ち」ではなく、職人さんの手仕事です。

 

 

 

まず、表面から筆で水分を加えながらヘラとローラーで各箇所皺を伸ばします。
 

 

 

 

 

 

こうする事で単に裏打ちするより皺が目立たなくなります。

 

 

 

 

 

 

次は、裏打ち作業ですが、ここからはポスターを完全に濡らすという作業で

 

素人からすると紙を濡らすという事に恐怖します(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

ポスター全体に水分を与え、裏面には和紙を貼る為に水糊を刷毛で塗っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

仕上がった状態はこうなります。

 

 

ここで完全に乾くまで数日置いておきます。

 

 

 

 

 

 

乾いたら、表面の和紙を剥がし、皺や折れによってインクの剥がれた個所に

 

色差しという工程を加えていきます。

 

 

 

 

ポスターの表面が見事に伸びきってるのがわかります。

 

 

 

 

 

 

完成した状態になりますが、

 

皺によって目立っていた髪部分の色剥げは目立たなくなりました。

 

 

 

 

 

ポスター全体の皺も伸び、依頼前と比較すると天と地の差になっています。

 

 

↓依頼前

 

 

 

 

 

綺麗に梱包され、手元に無事に戻って来ました。

 

 

 

思い入れの深い1枚を見事に修復して頂き

 

心から感謝しております。