ダニエル書の11章には、北の王と南の王との攻防が展開されていますが、それぞれがどの国を指すのかは、次の個所から明らかになります。
終りの時になって、南の王は彼と戦います。北の王は、戦車と騎兵と、多くの船をもって、つむじ風のように彼を攻め、国々にはいっていって、みなぎりあふれ、通り過ぎるでしょう。 彼はまた麗しい国にはいります。また彼によって、多くの者が滅ぼされます。しかし、エドム、モアブ、アンモンびとらのうちのおもな者は、彼の手から救われましょう。彼は国々にその手を伸ばし、エジプトの地も免れません。彼は金銀の財宝と、エジプトのすべての宝物を支配し、リビヤびと、エチオピヤびとは、彼のあとに従います。 しかし東と北からの知らせが彼を驚かし、彼は多くの人を滅ぼし絶やそうと、大いなる怒りをもって出て行きます。 彼は海と麗しい聖山との間に、天幕の宮殿を設けるでしょう。しかし、彼はついにその終りにいたり、彼を助ける者はないでしょう。(ダニエル11:40-45)
ここに示されているように、南の王に属するのは、エドム、モアブ、アンモン、エジプト、リビヤ、エチオピヤ、それ以外に「多くの者」が含まれますが、これらはイスラム教を信奉するアラブ諸国です。
一方、北の王は南の王に勝利した後に「ついに終わりに至ります」。ダニエル書の中で何度も「終わりに至る」と述べられているのは、ローマ帝国であり、その末裔である英米世界強国です。
そうです、11章に展開されている北の王と南の王との攻防は、イスラム教が生まれて以来、1千年以上も続いている、西欧キリスト教国とイスラム諸国との戦いと考えてよいでしょう。
「終わりの時になって」の南の王の攻撃が何を指しているかは明らかではありませんが、それによって欧米諸国からの強力な反撃を受けて、イスラム諸国の多くは滅ぼされることになるでしょう。