十の角についての聖書の説明は次の通りです。

 

あなたの見た十の角は、十人の王のことであって、彼らはまだ国を受けてはいないが、獣と共に、一時だけ王としての権威を受ける。 (黙示17:12)

 

ヨハネが黙示録を記した時点では、彼らはまだ国を受けていない、すなわちまだ国家としては存在していませんでした。しかし「獣」、すなわちローマ帝国の末裔である英米世界強国が、神の裁きによって滅ぼされる前の一定期間、英米世界強国と同じ時代に支配する国々として存在するようになるのです。「十の角」が「獣の」頭にあることは、それらの国が、かつてのローマ帝国の領域内から起こることを示しています。

 

ローマ帝国の一部であったイギリスは、産業革命を経て世界を支配し、そこから生まれた米国も、2回の世界大戦を経て世界に君臨し、英米世界強国の時代が到来しました。

一方、ローマ帝国の南東部を占領したオスマン帝国は解体され、現在のイスラム諸国となっています。

イスラム諸国の強い反対にもかかわらず、英米によって強引に設立されたイスラエル国家は、現在に至るまで紛争の種となっています。

 

詩編83篇に、イスラエルに敵意を抱く10の民族が列記されていることは非常に興味深いことです。

 

83:4彼らは言います、
「さあ、彼らを断ち滅ぼして国を立てさせず、イスラエルの名をふたたび思い出させないようにしよう」。
83:5彼らは心をひとつにして共にはかり、あなたに逆らって契約を結びます。
83:6すなわちエドムの天幕に住む者とイシマエルびと、モアブハガルびと、
83:7ゲバルアンモンアマレクペリシテツロの住民などです。
83:8アッスリヤもまた彼らにくみしました。

 

西欧諸国とイスラム諸国との対立は、すなわちキリスト教とイスラム教との対立でもあります。イスラム諸国の激しい怒りや憎しみが、キリスト教の総本山であるバチカンに向けられる可能性は十分にあり得るのではないでしょうか。

 

 あなたの見た十の角と獣とは、この淫婦を憎み、みじめな者にし、裸にし、彼女の肉を食い、火で焼き尽すであろう。 (黙示17:6)