神の御名の正しい発音を今日特定することはできないというのは誰もが認める定説です。とは言え、「エホバ」なのか「ヤーウェー」なのか誰にも分からない、という意味ではありません。「エホバ」や「ジェホヴァ」などの発音が本来の正しい発音ではないことだけは明らかなのです。なぜならこの発音は12世紀になって登場した合成語だからです。それは発音母音の失われた聖四文字に、別の言葉であるアドナイの母音を、誤って付加することで生まれた合成語だからです。そのことはものみの塔協会も認めるところです。洞察には次のように書かれています

西暦1千年紀の後半に,ユダヤ人の学者はヘブライ語の子音本文に記されていない母音を表わす符号体系を導入しました。そして,神のみ名に関しては,そのための正しい母音記号を打つ代わりに,アドーナーイ(「主権者なる主」の意),またはエローヒーム(「神」の意)と言うべきであることを読者に思い起こさせるために他の母音記号を打ちました

ですから古代のイスラエル人も1世紀のクリスチャンたちも、その後1千年以上に渡るクリスチャンたちも「エホバ」に類する発音は一度も用いていないのです。「エホバ」や「ジェホヴァ」などの発音が神の本来の呼び名ではない事は、誰も否定できない事実です。