早くも句作半年。今月のハイライトはお題:雪囲(季語)で「夏井いつきの一句一遊」金曜日(優秀句)に撰んでくださったことでした。

 

 雪囲いへ音なき宵をさくりさくり

 

 こういうのがあると、どういう方向性を目指せばよいのかのよすがにもなるし、励みにもなりますし、ありがとうございました。

 

 

 自撰(下記より)

冬休み行くも来もある程の町

 

なんといいますか、上手くいった句、好きな句は違うものなのでしょう。

 

12/1

乾燥機取り込みたるときには師走

皿洗い終えて師走のはじまりぬ

 

11/30 - 12/1 の日付が変わった後として詠んだ句。

 

12/3

冬夕焼絵襖のごと発車ベル

 

電車に乗りながらの句。

 

12/6

冬の雨両靴底の割れており

水っ洟かんで令和の四年目も

 

 二句目、ちょっと通り一遍すぎたかもしれません。

 

12/8

ネガフィルム音なき音や冬の月

生缶の切り口優し冬の蠅

冬の月価値のないものなんてない

ジャケットを忘れて帰るほどの仲

湯気立てて雨戸も閉めて肉焼いて

 

おそらく何句かお酒飲みながら詠んだのだと思います。

 

 

12/10

飯休み漱石の忌もあと五秒

 

たしか前夜は職業上の理由で夜業。

 

12/12

バス満員告ぐ丁重さ手の寒さ

 

手の寒さ、がいまいちおさまり悪い。

寒さという季語に固執しないほうがいいのかもしれません。

 

12/15

冬夕焼富士の五センチ上は藍

君融けて猫そっくりの布団かな

 

12/18

酔客の声すっと引く咳一つ

 

自分が飲んでいての実景句。熱いフライにむせて咳をしてしまったのは私です。

 

12/20

リュックから葱ポケットから長財布

 

12/21

労基法ジャケットの袖靴の先

 

衣類が擦り切れがち。

 

12/23

着膨れぬ若先生も鳩も辻

 

12/26

宮線を沿ふてマチネの第九から

 

12/27

冬休み行くも来もある程の町

ユーラチカ痩せただろうかクリスマス (ユーラチカ=ユーリの愛称)

 

12/30

秒秒を遠目に数ふ小晦

小晦グラスにカシスのみ注ぐ

小晦あすは謝ろうと寝床

二年ぶり二度目の体重小晦

お前の目人を見てるか年の暮

干し物を摘んで毎日摘んで暮

壁打ちに頬紅くして冴ゆる朝

希死感は眠気のためだもう暮だ

 

酔って即吟八句。