句数が少し増えたので月末を待たずにまとめてみることにしました。8月7日が立秋だったそうで、そのように思ってみると確かに少しですが日差しの色や鳴いている虫の変化はありますね。とはいえ暑いにはかわりなく、ふつうは今からしばらくたってからこそが、むしろ夏の果と呼ぶべき時期なのでしょうが。

 

 自選

 夕映えの波長も音も伸びて秋

 

8/1

ペン左右ひねらす明かりや火取虫

蟷螂か草か昨日の背広たち

外客のまばらな都市や秋迫る

暑気払飲み込まん哉あれやこれ

 

8/3

炎天や庇の下の肩と肩

炎天よフォルテッシモは短めに

炎天の圧弐萬ヘクトパスカル

自分だけ風が吹かないような夏

昼ビールまた一杯まだ季語だから

生きているだけで塩吹く夏に酒

 

8/4

電車涼し君が立つのは敢えてなの

また一つ本屋を悼む夏の果

夜の秋空に真珠のうさぎかな

山彦の声捩れ来る夏霞

 

8/5

秋近しふとすべり来る列車かな

天に唾地に愚痴人にアイス買い

 

8/6

手足口病夏痩の喉を刺す

詫びで来しゼリーを手足口病に

 

8/8

夕映えの波長も音も伸びて秋

 

投句を募集しておられるところのお題をいただいて雑詠として詠ませていただくことが最近増えました。炎天とか。