
今日は明るい未来のために頑張っている若者たちの熱き思い、素晴らしき活動をお伝えしたいと思います。
ご紹介させていただくのは、『NPO TEDIC』さんです。
『NPO TEDIC』さんは、毎週末に関東圏を中心とした教員志望学生を被災地・宮城県に派遣し、
主に石巻市の中高生に数学や英語などを中心とした学習支援をされています。
宮城県石巻市で生まれ育った代表の門馬 優さんは、自分にしかできないことを考えられ、それを行動に移されました。
その素晴らしい思いはHPの設立趣旨に掲げられています。
http://www.tedic.jp/
そして、震災から3ヶ月後のブログにも熱い思いを掲載されています。(一部抜粋)
10年後、「震災があって良かったね」と、言えるように。
僕たちは、被災地の子どもたちのもとに、未来を届けます。
そして、未来を受け取ってきます。
震災から3か月。
未来への一歩と、この活動がなりますように。
今後ともご支援のほど、よろしくお願いいたします。
そして活動内容についていろいろ説明させていただこうと思い、
TEDICのみなさんが(チューターという名称で呼ばれています)、交代で書かれているブログを読ませていただきました。
そこには、戸惑い、悩み、自分に何ができるんだろうと考え、
自分なりの答えを導き出したりと、みなさんの真剣な思いが綴られていました。
どの記事もどの記事も本当に素晴らしく、読んでいる間中、感動の涙が止まりませんでした。
だから、パソコンのそばに常時タオルを用意して読んでいました。
そこでみなさんにも、この素晴らしい記事を読んでいただきたいので、ほんの一部ですがご紹介させていただきます。
我々TEDICの活動の第一義的目的はもちろん被災地という学習しづらい状況にある子供たちに
勉強の機会を届けることにありますが、それと同じくらい大切な目的として、
我々TEDICメンバーの将来、すなわち教員となったとき、あるいはなるために必要な「力」を付けるということもあります。
我々が先生になったとき、当然そういった子どもたちと出会うこともあるでしょう。
しかし現場では特別支援に対して専門的な知識や経験を持っている先生はそう多くいません。
そういった意味で、今回そういった子供たちと積極的に関われたことは、
我々にとって大いなる「勉強」の場になったのではないだろうか、と考えました。
TEDICの活動をとおして、教えるということだけでなく、こどもたちひとりひとりに
どう向き合うかという人と人とのかかわりあいの大切さを強く感じました。
いま求められていることはそういった形のない心の支援なのだと思います。
勉強を教える者として生徒の前にいるのなら、例えば、私ではなくて専門知識の面で
もっと優れた専門家に任せるほうがよいと考えもあるかもしれません。
しかし、私は生徒の前に立ちたいと思っています。
それは、私には、人より多くの挫折感とできなかった経験があると思っているからです。
だからこそ、嫌いな教科が多い、勉強できる自信がもてない、将来が不安など生徒の抱える学習など
“できない”経験を共感することができ、同じ目線で考えることができると思っています。
そして、今、勉強や部活などでできなくて、いろいろな評価などで認められなくても、
それは過去の評価であって、“将来の評価”ではないと、学習を通じて目の前の生徒を勇気づけたい、そう思っています。
それが、他人ではなくて“私”がここにいる意味でもあり、「もう一度踏み出そう」と偉そうに直接言葉にはしませんが、
一緒に難しい問題を解いていく作業に加えて、私の経験から児童生徒に“まだやれるはず”と
何かしら伝えたいと思っています。
私は他のチューター達とは違い、石巻には行かず事務局員としてtedicに関わってきました。
私は現在社会人1年目ですが、大学4年の冬。
あることをきっかけに、PTSDと広場恐怖になりました。
外には出られず、人が怖くて、一人では本当に何も出来ない状態でした。
そんな時、大学時代に他のNPO団体でチームを組んでいた門馬くんにtedicを手伝って欲しい、と言われました。
それは、ただ手伝って欲しいからという訳ではなく、そんな生活を送っている私を、
門馬くんは助けてくれようとしたのだと感じています。
門馬くんは、そうやって手を差し伸べられる強さを持った人です。
こんな無力な私は、被災地の方のために何かするなど、到底無理な話に思えました。
現地には行けない、と私は言いました。
それでも、門馬くんは私をtedicの事務局員として迎えてくれました。
最後に、tedicに関わらせて頂いて得たもの。tedicと治療のおかげで、
私は気づかぬうちに沢山なものを得ていました。
以前そうであったように、社会に出て、色んな人と関わる。勇気を出して一歩を踏み出す。
それがいつしか少し出来るようになりました。
苦手だった雨の日の夜にも、フラッシュバックが起こらずにミーティング場所まで
一人で歩いて行けた時には一人隠れて感激したことを覚えています。
これからも、小さな小さなそして大きな一歩を踏み出していけると確信しています。
そして最後に、代表の門馬さんが書かれた『TEDICは何のためにあるのか?』という記事をご紹介します。
先日、TEDICで一緒に勉強しているある生徒:Aさんの保護者の方と、お電話する機会がありました。
Aさんとは、震災直後の5月に出会いました。
「表情が固い」というのが最初の印象、人見知りなのかなとか緊張しているのかなど、
いろんな想像を巡らせていましたが、結局それから1か月近く、ほとんど笑顔を見せることはありませんでした。
Aさんが、この震災で大切な家族を失っていたことを知ったのは、それから2か月ほど経った時のことでした。TEDICでは、定期的に保護者の方と手紙のやり取りをしています。手紙には、こんな一文が添えられていました。
「TEDICの先生方のおかげで、少しずつ家族の前でも笑顔を見せるようになりました。精神的な部分は、専門外とは存じますが、これからも温かいご指導をお願いします。」
それから、毎週のようにAさんとは一緒に勉強し、最近では冗談を言って来たり、チューターにちょっかいを出してきたり、表情も柔らかくなってきたように感じています。
そんなAさんの保護者の方から、昨日の電話でこんな言葉をいただきました。
「最近、TEDICに行くことを楽しみにしているみたいなんです。もしかしたら、お兄ちゃんやお姉ちゃんができたような、そんな気になってるのかもしれませんね。先生方の話を、毎週帰ってきて必ずするんです。『今日はこんな人が来たよ』とか、『こんなとこを褒められたんだよ』とか。お兄ちゃん、お姉ちゃんと話ができることを、本当に楽しみにしてるんです。家族を失ったことを、先生方と会うことでフラッシュバックするんじゃないかって、正直心配な部分もあったんです。でも、その事実からは逃げられないし、一生向き合っていかないといけない。強く、生きてほしいって思うんです。だから、先生方には安心して預けていますから。来年度も続くといいなって、家でも話していますから。」
先日、TEDICのミーティングでは、『TEDICは何のためにあるのか?』という話し合いをしました。
TEDICのミッションは「震災によって奪われた教育機会の創出」と掲げられています。
でも、この教育機会という言葉の裏には、僕が想像できないような思いが詰まっています。
「勉強を通じて、自信をもってほしい」
「自分を気にかけている人がいるってことを、感じてほしい」
「笑顔でいてほしい、ただそれだけ。」
「安心して勉強できる居場所をつくりたい。」
「ちょっとでも、また頑張ろうって思ってもらえたら、それでいいかも。」
一人ひとりのチューター、一人ひとりの生徒、そして保護者の方々の思い。
『TEDICは何のためにあるのか?』という問いの答えは、
たくさんの思いと共に育まれているのだと強く感じた今日この頃。
まだまだ、試行錯誤、暗中模索の中、走り続けているTEDICですが、たくさんの思いに囲まれながら、
これからも邁進して参りたいと思います。
今後とも、温かく見守ってください。よろしくお願いいたします。
代表 門馬優
実は私もあまり大きな声では言えませんが、一応教員免許を持っています。
教員免許を取得するためには教育実習に行かなければなりません。
TEDICさんは東北の方たちのために学習支援をされていますが、
私はこの方法を教育実習の一環としてぜひ取り入れた方がいいと思いました。
そして共に育つというこの素晴らしい教育の形が、もっともっと日本中に広がることを心から望みます。