江戸後期のある記録を見ると人間の寿命はおよそ40年である。
出産は17歳頃から始まって30歳で終わり。
生まれる子の数は5~6人。
大人に成長するのは3~4人。
但し、作物や、はやりの病の加減で赤子と3歳児までは不明・・・・
これは江戸時代後期の人口動態記録の一部だ。
出典の根拠を確認できないので、多少違いがあるかもと不安を持ちながらあえてこれを記したのは、当時の人間の寿命の目安になると考えたからである。
明治以降の衛生や医療の進歩があって、日本人の平均寿命の延びは二倍以上だ。
人生わずか50年と謡曲にもうたわれながら現実の平均寿命が50歳に達したのは昭和28年のことである。
自然界の大型哺乳類の人間の寿命が江戸時代に40歳と見るのはほぼ妥当なようだ。
ところが明治以来100年ほどの期間で平均寿命を二倍も伸ばして80歳を越えてしまった。
これは私見だが、栄養や医療のおかげで平均寿命は延びていると言われているが、そう遠くない未来には平均寿命120歳を人間は実現するだろう。
現代の汚染された環境下で人間の免疫を壊さない正しき物理的なアプローチは必要である。
それと同時に本来の人間とは何か、人間の生きる目的とは何か、ゴールはどこにあるのか、このようなことに気付き、ストレス社会からの脱却を実現すれば病気ではなく、本当の意味での寿命である老衰の死という生命の理想を実現できるだろう。