こんばんは!
今回はカラーコーディネートの知識についてご紹介したいと思います。
カラーコーディネートには当然ルールがあります。なので、そのルールさえ押さえてしまえば、誰でもある程度のカラーコーディネートは出来ます。
(絶妙なバランスで組み合わせるのは訓練が必要ですが)
ちなみにインテリアでもファッションでも同じ理屈ですから、カラーコーディネートの知識を身に着けるとファッションにも応用出来ますよ。一石二鳥ですね
ルールの前に「色相環」をぜひ覚えましょう。必ず覚えなければいけないわけではありませんが、覚えておくと便利ですよ。
色相環はいくつか種類があって「マンセル色相環」「オストワルト色相環」「PCCS色相環」などが有名です。
一応それぞれの特徴についても簡単にご紹介します。
<マンセル色相環>
アメリカの美術教育者で画家のアルバート・マンセルによって作り出されたカラーシステム。
「色の三属性」によって物体色を表示する表色体系。
<オストワルト色相環>
ノーベル化学賞を受賞したドイツの科学者であるオストワルトによって発表された表色系。
「へリングの反対色説」に基づいた混色系の代表的なカラーシステム。
マンセル表色系が「心理的考察」に基づいているのに対し、オストワルト表色系は「心理物理学的考察」に基づいている。
<PCCS色相環>
日本色研配色体系。1964年に日本色彩研究所により、つくり出されたカラーシステム。
Practical Color Co-ordinate Systemの略。
「配色調和」を第一の目的として、マンセル表色系とオストワルト表色系の長所を取り入れてつくられたカラーシステム。
今回の記事では「PCCS色相環」についてご紹介したいと思います。
日本人に馴染みやすいというのと、「明度」と「彩度」を融合した「トーン(色調)」という概念があるのでインテリアのカラーコーディネートに使いやすいという利点があります。
例えばグリーンのカーテンといっても、非常に明るい色のグリーンもあれば、落ち着いた色のグリーンなど、同じグリーンでも多種多様です。それを説明できるのが「PCCS色相環(表色系)」です。
この図がPCCS色相環です。
細かく分類すると24色ありますが、12色を覚えるだけで充分だと思います。(色彩検定に合格したい人は覚えましょう♪自分も覚えました)
どういう理屈でこの図になるのかというと、まず、円周上に心理4原色の「赤」「黄」「緑」「青」を時計回りに配置し、その4色の対向位置にそれぞれの心理補色を置いて8色相に、その間が等間隔になるようにさらに4色を補間して12色に、さらにそれらを2分割にして合計24色相にしています。
※心理補色とは、ある色をしばらく見つめた後に、白い壁などに視線を移した時に、残像として見える色のことです。
さらに先ほど、「明度」と「彩度」を融合した「トーン(色調)」という概念があるとお伝えしましたが、次の画像がそれを用いた「ヒュートーンシステム」と呼ばれる表です。
※Hue(ヒュー)は色相のこと
出典:日本色研事業株式会社
この表がカラーコーディネートをする際に、とても重宝します。何がいいって、解りやすいですよね(笑)
ちなみにトーンには以下にあげるような、それぞれが持った固有のイメージがあります。
p (pale) 薄い/あっさり/弱い/女性的/かわいい/優しい/淡い/若々しい/クリア
ltg (light-grayish) 明るい灰み/落ち着いた/穏やか/おとなしい/寛ぎ
dkg (dark-grayish) 暗い灰み/陰気な/重い/堅い/濃い/男性的/紳士的/格調がある/高尚
g (grayish) 渋い/灰み/濁った/地味/シック/枯れた
lt (light) 軽い浅い/澄んだ/さわやか/子供っぽい/楽しい
sf (soft) 柔らかな/穏やかな/明るい/ぼんやりした
d (dall) 鈍い/さえない/くすんだ/中間色/しなびた
dk (dark) 暗い/大人っぽい/重厚/円熟/丈夫/味わい深い
b (bright) 華やか/陽気/健康的/賑やか
s (strong) 強烈/くどい/動的/情熱的
dp (deep) 濃い/深みがある/充実した/伝統的な/和風
v (vivid) 冴えた/鮮やかな/強い/派手/目立つ/生き生きした
W(white) 清潔な、冷たい、新鮮な
ltGy(light-Gray) 大人/品がある
mGy(medium-Gray) スモーキー/しゃれた/寂しい/控えめ
dkGy(dark Gray) 暗い/重い
Bk(Black) 高級/フォーマル/引き締まった
一応こういう感じに分類できるかと思います。
人によってはペールを軽いととらえる人もいるでしょうし、ビビットをくどいと感じる人もいるので、細かいところはそれぞれの感覚でいいと思います。
※男性的、女性的というのは時代に合わなくなってきていますが、一応入れてあります。
使い方としては、「やわらかいイメージにしたい」とか「重厚感がある感じにしたい」など、
「イメージはあるけどどんな色を選べばいいのだろう?」というときに便利です。
<覚えておきたい5つの組み合わせ>
ご紹介した「PCCS色相環」と「ヒュートーンシステム」を使って5つの基本的な組み合わせを覚えましょう。
これを意識するだけで結構いい感じにカラーコーディネートできるようになると思いますよ♪
※コーディネートの難易度を5段階で表示したいと思います。
あくまで独断と偏見ですが。(☆☆☆☆★は一番カンタン)
・類似色相の組み合わせ(難易度☆☆☆☆★)
色相環で1つの色を選んだ場合の「両隣の色」を類似色相といいます。
例えば「緑は絶対に取り入れたい」とした場合は、黄緑と青緑を取り入れると類似色相の組み合わせになります。
単調になるというデメリットもありますが、初心者でも失敗のない組み合わせです。
画像は「青緑」をベースにラグが「緑みの青」壁面のアートに「緑」を取り入れています。壁面のソファがダークブルーなので、グレーなどの無彩色にするとさらにまとまるかも知れません。
・反対色相(補色)の組み合わせ(難易度☆☆☆★★)
色相環で1つの色を選んだ場合の「反対側の色」を反対色相(補色)といいます。
例えば、赤を選んだ場合は「青緑」が反対色相となります。
反対色相同士は一番コントラストが強い組み合わせなので、メリハリのある空間を演出することが出来ますよ♪
画像は薄い青緑の壁と青のラグに対して、明るいオレンジを組み合わせています。
ブライトよりのトーンなのでとても元気で明るいイメージのインテリアになっていますね。
この色味のまま彩度を下げれば落ち着きがある中に、メリハリを感じられる空間になります。
・異なる色相で同じトーンの組み合わせ(難易度☆☆★★★)
色相をバラバラにしてトーンだけ揃えるという方法です。
たくさんの色を使いたいという方にはおススメです。こういった場面で「ヒュートーンシステム」がとても役立ちます。
画像はダークトーンでまとめているので、たくさんの色相が混在しても落ち着きとまとまりを感じられますよね。
チャレンジする場合はヒュートーンシステムのそれぞれのイメージに沿って、自分の好みのトーンを選びましょう。
中級者向けの組み合わせかな、と思います。
・同じ色相で異なるトーンの組み合わせ(難易度☆☆☆☆★)
ひとつの色を選んだら、その色のトーン違いでまとめる方法です。この組み合わせも初心者向けの失敗が少ない組み合わせです。
画像は壁を「グレイッシュの緑」としてメインカラーにしていますね。
壁より少し明るい緑のカーテン、さらに明るいソファの張地と、目線が下に行くにつれてグラデーションになっています。
とても参考になる例だと思いますよ。
・トーンも色相も異なる組み合わせ(難易度★★★★★)
色相もトーンもバラバラに組み合わせる方法。個性的な空間を演出できますが、まとめるのがかなり難しいので上級者向けの組み合わせです。
画像はビビットな黄色の壁をベースに様々な色を使っています。ポイントは床やソファの張地など、壁以外の面積が大きい要素の彩度を下げて、ビビットな色は小さい面積に用いてアクセントにしている点ですね。これによってドギツクなり過ぎるのを防いでいるように感じます。
また、雑貨やオブジェなども極力少なくするのもポイントですね。
色だけで目から入る情報量が多いので、雑貨を沢山置くとかなりごちゃごちゃして落ち着かない空間になります。
いかがでしたでしょうか?
今回は「カラーコーディネートの知識」についてご紹介しました。カラーコーディネートはインテリアのセンスを磨くうえで切り離せないものですので、ぜひ意識してみて下さいね。
この記事が少しでもお役に立てばとても嬉しいです。
最後までご覧頂き有難うございます。