こんにちは!イチエワークスです。


このシリーズではインテリアスタイル(テイスト)について解説していこうと思います。


前回は「モダンスタイル」をお伝えしました。
今回は「ミッドセンチュリースタイル」をご紹介します。


「ミッドセンチュリー」は直訳すると「世紀の中間」という意味です。
第二次世界大戦後の期間のデザイン運動ですね。

およそ1945年から1969年まで続きました。日本ではアメリカ色が強いですが、ヨーロッパなども含んだ総称です。


以下のように国ごとに分けられていた時代もあるようですね。


【アメリカンミッドセンチュリー】
【ヨーロピアンミッドセンチュリー】
【スカンジナビアンミッドセンチュリー】
【ジャパニーズミッドセンチュリー】


なので、この時代自体を指す言葉として使われることもあるようです。
この頃にデザインされた家具や建築物のことを「ミッドセンチュリースタイル」「ミッドセンチュリーインテリア」といいます。

とはいえ難しく考える必要はないと個人的には思います。

インテリア学校の先生ならいざ知らず、住宅のコーディネートにおいては、大体の雰囲気で問題ないでしょう。
以下に挙げる家具や、配色などのツボを押さえれば、「ミッドセンチュリー」風インテリアと言ってしまっていいと思います。
ミッドセンチュリーに絞る必要もありませんし、自由にインテリアコーディネートを楽しみましょう♪


<代表的なデザイナーとデザインした家具>


・チャールズ&レイ イームズ(イームズ夫妻)



出典:photo&copyright©flymee.jp 

「イームズシェルチェア」はあまりにも有名。そして未だに人気のデザインです。
この形をベースに様々な形状や仕上げ違いが存在しています。
意匠権が切れているので、リプロダクト家具としてリーズナブルな価格で手に入れることが出来るようになったのもいいですね。


・エーロ・サーリネン



出典:photo&copyright©flymee.jp 


「チューリップチェア」もご存じの方は多いのではないでしょうか?
この曲線美も「ミッドセンチュリー」らしさ全開です。
「チューリップテーブル」もあるのでセットでコーディネートするのも素敵ですね。

・ジョージネルソン



出典:photo&copyright©flymee.jp 

「ネルソンベンチ」はご存じの方少ないでしょうか?
個人的には大好きな家具です。シンプルなのにカッコイイ。
ダイニングセットにベンチを選ぶ機会があると思いますが、「ミッドセンチュリー」風のダイニングにする場合は選択肢の一つにぜひ入れたい家具です。
実は小物を置くテーブルとして利用している上級者も少なくありません。

・イサム・ノグチ



出典:photo&copyright©vitra.com

イサムノグチを代表するこのコーヒーテーブルも超有名。そしてやはり未だに大人気です。この唯一無二のデザインは洋風の空間はもちろん、和室にもとてもよく合います。「和モダンスタイル」にと入れるのも素敵ですよ。汎用性のあるテーブルの一つです。
2003年より日本における販売ライセンスがハーマンミラー社からヴィトラ・デザイン・ミュージアムになっています。移管したことにより、以前よりオリジナルに近いデザインになったとか。もちろんリプロダクトもありますよ。



出典:photo&copyright©garageland.jp

こちららも超有名「AKARI」シリーズです。この照明は和のテイストが強いですが、モダンですっきりとした空間にもとてもよく似合います。温かみのある空間にしたい方は、選択肢の一つにしたい照明ですね。


・剣持勇(けんもちいさむ)



photo&copyright©ymk-pro.co.jp

剣持勇といえばこの籐(ラタン)で作られた「アームレスチェア」が有名ですね。和室にも当然合いますが、以前ご紹介した「ラスティックスタイル」にも合いますね。もちろん籐(ラタン)なのでリゾート風のインテリアにもバッチリ合います。


・柳宗理(やなぎそうり)



photo&copyright©flymee.jp 

「バタフライスツール」こちらも超有名。天童木工による高い技術で制作された、シンプルながら存在感があるスツールです。和室にちょこんと置いてあるだけで、空間が引き締まります。




出典:photo&copyright©vitra.com

「エレファントスツール」こちらもご存じの方は少なくないのでは?こちらはスタッキングが可能なうえにプラスチック製なので屋外でも使用できます。また非常にシンプルなデザインなのでインテリアのテイストをほとんど選びません。(「トラディショナルスタイル」などの装飾が多い伝統的なスタイルには不向きかもしれません)

正規品でも13000円ほどと、比較的入手しやすいのもいいですね。

ちなみに柳宗理はキッチンアイムもデザインしています。シンプルで機能的なデザインはすべてに共通している気がしますね。


・渡辺力(わたなべりき)



photo&copyright©flymee.jp 

「リキクロックRC」こちらも有名ですが時計にこだわる人でないとあまり知らないかも知れませんね。しかしミッドセンチュリー時代のジャパニーズモダンを象徴するアイテムの一つです。シンプルな空間にとてもよく似合う時計です。

ミッドセンチュリーの家具は名作が数多くありますので、また別の記事でご紹介したいと思います。


【ミッドセンチュリースタイルがおすすめな人】


・FRP(ガラス繊維強化プラスチック)などの素材感が好き
・機能性を重視したい
・カラフルなインテリアが好き
・曲線のある家具が好き

【ミッドセンチュリースタイルの特徴】


・カラフルで曲線的
・シンプルで機能的
・プラスチックなどの現代的な素材
・ノスタルジック
・レトロ

などが特徴として挙げられます。
写真を見ていきましょう♪


【例1】


出典:pinterest.com

 

 


こちらはレトロな雰囲気が漂うミッドセンチュリー風インテリアです。


イームズシェルチェアやカラフルなソファの張地がとてもいいですね。青と黄色は反対色相なのでコントラストが効いたメリハリのある空間を演出できます。


ポール・ヘニングセンがデザインした「PH5(ペンダントライト)」も良く調和していますね。
PHランプシリーズは北欧モダンに分類できますが、「シンプル」という共通点があるミッドセンチュリースタイルと相性はいいようです。


【例2】


出典:pinterest.com

 

 


こちらはイサムノグチの「AKARI」シリーズを贅沢に使用した例。

レンガ調の壁を使用していて、和風の空間ではないのに調和してしまうのが「AKARI」シリーズの魅力ですねぇ。


ミース・ファン・デル・ローエがデザインした「バルセロナチェア」も良くマッチしていますね。

ミースも大まかには北欧モダンに分類されると思いますが、先ほどの例と同じように、とてもよくマッチしています。
ドイツ出身のミースと和風な風合いの「AKARI」シリーズ、そしてミッドセンチュリースタイルはとても相性がいいと思わせてくれるコーディネートです。


【例3】


出典:pinterest.com

 

 


さわやかな「ミッドセンチュリースタイル」ですね。

イームズシェルチェアとシンプルなペンダントライトがとても似合っています。

浅葱色の壁とイームズシェルチェアの赤、そして奥にチラッと見えるオレンジの椅子が、コントラストが効いていて明るい雰囲気を演出してくれていますね。


爽やかなミッドセンチュリースタイルを目指す方には参考になるのではないでしょうか。


【例4】
 
出典:pinterest.com

 

 


こちらは少し大人の雰囲気漂うミッドセンチュリースタイルです。

全体的に使用しているカラーを黄緑系で揃えているのと、木調の家具が落ち着いた印象を与えています。


これがスチール系だとクールな印象になるかと思います。


それにしてもイサムノグチのコーヒーテーブルが存在感がありつつ、調和もとれていて素敵ですね。
奥のテーブルランプは「AKARI」シリーズだと思いますが、こちらも非常に調和がとれています。


落ち着いた「ミッドセンチュリースタイル」を目指すなら参考にしたいコーディネートですね。とくに配色はとても勉強になります。


【例5】


出典:pinterest.com

 

 


こちらは曲線の家具でまとめたコーディネート。ノスタルジックな雰囲気がありますね。


イームズシェルチェアだけでなくヴェルナーパントンがデザインした「パントンチェア」もいいアクセントになっています。
デンマークデザインの傑作の一つと言われる人気のデザインは、ミッドセンチュリースタイル、とくにこのように曲線を多用したコーディネートにも非常によく合いますね。


配色は赤、黄色、オレンジと類似色相でまとめているので、曲線でまとめたことも相まって非常に調和のとれた空間になっています。


曲線を多用したいという方にはマネしたくなるコーディネートではないでしょうか?



いかがでしたでしょうか?
今回は「アメリカンミッドセンチュリー」や「ジャパニーズミッドセンチュリー」を中心に解説しましたが、「スカンジナビアンミッドセンチュリー」などもそのうち解説したいと思います。


この記事が少しでもお役に立てばとても嬉しいです。
最後までご覧頂き有難うございます。