2012年という年は欧州にとって、
最悪の年になるのではないかと懸念されていましたが、
今年一年、なんとか持ちました。
どのような経緯で免れたのか、
上手くまとめたニュースレター(D&J)があったので、
紹介しておきます。
========================
今年も残すところあと3日となり、
今から述べる見通しでさえ外れることは時間的にあり
得るが、あえてその危険を冒すことにしよう。
その見通しとは、一部の予想に反し、ユーロ圏は年初と同じく
加盟国17カ国のままで年末を迎えられるだろうというものだ。
1年前の本欄で指摘したように、
「何とか危機を切り抜けようというユーロ圏首脳らの揺るぎない決意」
によって、ユーロ圏は少なくともまたこの1年をやり過ごすことができた。
そしてここに、2012年のユーロ圏存続を確実にした
6回のイベントを重要度が低い順に挙げていきたい。
3月9日、ギリシャは過去最大規模の債務再編計画を完了した。
これが重要なのは、ギリシャの過剰債務を解消したからではない。
民間投資家が保有する総額2060億ユーロ(約23兆6000億円)の
ギリシャ国債の大半に53.3%の債務減免(ヘアカット)が
実施されたことが長期的な債務削減に寄与し、
これに続く債券買い戻し計画にも好影響を与えるとは
誰も予想していなかったということだ。
だが政治的には、同国が多額の債務を予定通りに返済
できるかどうかをめぐる緊張が緩和されたことで
時間的な猶与が生まれる結果となった。
9月12日、ドイツ憲法裁判所は恒久的救済基金である
欧州安定メカニズム(ESM)の合憲性を(暫定的に)認める判断を下した。
同裁判所がESMを違憲と見なすと予想する向きはほとんどいなかったが、
仮にそうなっていれば、ユーロ圏の危機管理計画は大混乱に陥っていただろう。
ESMはユーロ加盟国17カ国の批准を得て、10月8日から稼働を開始している。
6月17日、ギリシャで行われた出直し総選挙では、
「改革支持派」のサマラス党首が率いる新民主主義党(ND)が
小差で第1党に選ばれ、最大のライバルである
急進左派連合(SYRIZA)は第2党にとどまった。
5月6日の初回選挙では新政権の樹立に失敗していた。
第1党と第2党の支持率の差が3%未満と接戦だったことは、
ユーロ圏が2012年も存続するのは当然だという見方を
矯正する上で役立った。
この総選挙は本当に接戦だったのだ。
6月29日、ユーロ圏首脳らは
「銀行と政府の間の悪循環を断ち切る」と宣言した。
これは、脆弱(ぜいじゃく)な銀行が資金難の自国政府を
金融混乱に引きずり込むのを阻止しようという政治的な取り組みだが、
いまだに達成されていない。
これを受けて、(特にドイツ、フィンランド、オランダの財務相の間では)
現在の債務危機に影響しない程度にこの取り決めの解釈を
狭めようとする動きもある。
ただ、ユーロ圏政府は12月13日に単一銀行監督機関の設立に
合意している。同機関の「稼働開始」は、ESMが銀行に直接資金を
注入することを認める上での前提条件とされているが、
14年春まで実現しない可能性が高いようだ。
ユーロ圏財務相らは6月9日、スペイン政府に
国内銀行の救済費用として最大1000億ユーロを融資することを決めたが、
この決定は6月29日の取り決めのために影が薄れてしまった。
最終的には、スペインはそれをはるかに下回る395億ユーロの融資を要請した。
10月9日、ドイツのメルケル首相はギリシャを訪問した。
これは、ドイツがギリシャのユーロ圏残留を望んでいることが示された
象徴的な出来事であり、6月17日の総選挙が実際とは異なる結果になっていれば、
実現しなかった可能性もある。
少なくともギリシャの総選挙が行われる来年秋以降までは、
ギリシャをユーロ圏から追い出すべきかどうかをめぐる政治的な議論は
棚上げされるとみられる。
金融アナリストの大半は、ギリシャが12年にユーロ圏を脱退していれば、
域内に制止不可能な混乱が生じ、金融面に限定しても、
ギリシャがユーロに残留した場合よりも多くの負担が
ドイツに課せられていた可能性があったと主張している。
7月26日、最も重要なイベントがあった。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がロンドンでの講演で、
「われわれの使命の範囲内で、ECBはユーロを維持するためには
何でもする用意がある。信じて欲しいが、それで十分だろう」と述べた。
この宣言は9月6日、
「アウトライト・マネタリー・トランザクションズ(OMT)」と呼ばれる
債券購入措置という形で具現化され、これは少なくとも当面の間、
財政危機にあるスペインとイタリアがユーロ圏脱退を
迫られるのではないかとの懸念を払拭(ふっしょく)する上で
十分な効果を発揮したと見なされている。
この措置は、(国債購入の対象となる)政府が
支援計画に付随する条件を順守することが前提とされるものの、
「無制限に」国債購入を行うことを公約したという点で
説得力があるものだった。
そのため、投機筋の間では、膨大な資金力を持つECBに対抗してまで
債券売りを行うべきかという疑問が生じた。
また、3年前からユーロ圏を苦しめ続けてきた重大な疑問も解消された。
それは、法的な制限があるためにECBがユーロ圏をまとめる上で機
動的に行動できないのではないかという疑問だ。
おそらく、ECB総裁が積極的にユーロ解体の指揮を取ろうとする
などという見方は全く理にかなっていないだろう。
だが、今夏までの2年半もの間は、これと正反対の可能性に賭
けることが有力な金融市場戦略の1つだったのだ。
このリストからは、一部の重要なイベントが省かれている。
1月30日に欧州連合(EU)27カ国中25カ国の首脳らが
財政規律の厳格化に合意したこともその1つだ。
ただ、ユーロ圏の将来的な機能には重要な影響を与える可能性もあるが、
目先の債務危機を解決する効果は限定的だったとみられる。
未完の作業は数多く残っている。先に挙げた重要イベントの一部は
まだ単なる公約にすぎない。
OMTはまだ試されていない上、政府と銀行間の悪循環も断ち切れていない。
ギリシャもまだ危機を脱したとは言えない。
過剰債務を抱えていることは公然の事実であり、政局も難しい状況にある。
そして来年はイタリアとドイツで総選挙も行われる。
これらは全て、2013年も引き続き忙しい年になると説明する上で
十分過ぎるほどの理由になるだろう。
==============================
以上、引用終わり。
2012年の欧州をみる限り、当初は誰もがEUの解体を予想してました。
でも、その予想を覆す形でここまできてます。
リーダーがこうしたいと強い意志を持って取り組めば、
なんとかなるものです。
日本も政権が変わったので、今後は強い意志を持って、
景気復興に取り組んで欲しいですね。
最悪の年になるのではないかと懸念されていましたが、
今年一年、なんとか持ちました。
どのような経緯で免れたのか、
上手くまとめたニュースレター(D&J)があったので、
紹介しておきます。
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今年も残すところあと3日となり、
今から述べる見通しでさえ外れることは時間的にあり
得るが、あえてその危険を冒すことにしよう。
その見通しとは、一部の予想に反し、ユーロ圏は年初と同じく
加盟国17カ国のままで年末を迎えられるだろうというものだ。
1年前の本欄で指摘したように、
「何とか危機を切り抜けようというユーロ圏首脳らの揺るぎない決意」
によって、ユーロ圏は少なくともまたこの1年をやり過ごすことができた。
そしてここに、2012年のユーロ圏存続を確実にした
6回のイベントを重要度が低い順に挙げていきたい。
3月9日、ギリシャは過去最大規模の債務再編計画を完了した。
これが重要なのは、ギリシャの過剰債務を解消したからではない。
民間投資家が保有する総額2060億ユーロ(約23兆6000億円)の
ギリシャ国債の大半に53.3%の債務減免(ヘアカット)が
実施されたことが長期的な債務削減に寄与し、
これに続く債券買い戻し計画にも好影響を与えるとは
誰も予想していなかったということだ。
だが政治的には、同国が多額の債務を予定通りに返済
できるかどうかをめぐる緊張が緩和されたことで
時間的な猶与が生まれる結果となった。
9月12日、ドイツ憲法裁判所は恒久的救済基金である
欧州安定メカニズム(ESM)の合憲性を(暫定的に)認める判断を下した。
同裁判所がESMを違憲と見なすと予想する向きはほとんどいなかったが、
仮にそうなっていれば、ユーロ圏の危機管理計画は大混乱に陥っていただろう。
ESMはユーロ加盟国17カ国の批准を得て、10月8日から稼働を開始している。
6月17日、ギリシャで行われた出直し総選挙では、
「改革支持派」のサマラス党首が率いる新民主主義党(ND)が
小差で第1党に選ばれ、最大のライバルである
急進左派連合(SYRIZA)は第2党にとどまった。
5月6日の初回選挙では新政権の樹立に失敗していた。
第1党と第2党の支持率の差が3%未満と接戦だったことは、
ユーロ圏が2012年も存続するのは当然だという見方を
矯正する上で役立った。
この総選挙は本当に接戦だったのだ。
6月29日、ユーロ圏首脳らは
「銀行と政府の間の悪循環を断ち切る」と宣言した。
これは、脆弱(ぜいじゃく)な銀行が資金難の自国政府を
金融混乱に引きずり込むのを阻止しようという政治的な取り組みだが、
いまだに達成されていない。
これを受けて、(特にドイツ、フィンランド、オランダの財務相の間では)
現在の債務危機に影響しない程度にこの取り決めの解釈を
狭めようとする動きもある。
ただ、ユーロ圏政府は12月13日に単一銀行監督機関の設立に
合意している。同機関の「稼働開始」は、ESMが銀行に直接資金を
注入することを認める上での前提条件とされているが、
14年春まで実現しない可能性が高いようだ。
ユーロ圏財務相らは6月9日、スペイン政府に
国内銀行の救済費用として最大1000億ユーロを融資することを決めたが、
この決定は6月29日の取り決めのために影が薄れてしまった。
最終的には、スペインはそれをはるかに下回る395億ユーロの融資を要請した。
10月9日、ドイツのメルケル首相はギリシャを訪問した。
これは、ドイツがギリシャのユーロ圏残留を望んでいることが示された
象徴的な出来事であり、6月17日の総選挙が実際とは異なる結果になっていれば、
実現しなかった可能性もある。
少なくともギリシャの総選挙が行われる来年秋以降までは、
ギリシャをユーロ圏から追い出すべきかどうかをめぐる政治的な議論は
棚上げされるとみられる。
金融アナリストの大半は、ギリシャが12年にユーロ圏を脱退していれば、
域内に制止不可能な混乱が生じ、金融面に限定しても、
ギリシャがユーロに残留した場合よりも多くの負担が
ドイツに課せられていた可能性があったと主張している。
7月26日、最も重要なイベントがあった。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がロンドンでの講演で、
「われわれの使命の範囲内で、ECBはユーロを維持するためには
何でもする用意がある。信じて欲しいが、それで十分だろう」と述べた。
この宣言は9月6日、
「アウトライト・マネタリー・トランザクションズ(OMT)」と呼ばれる
債券購入措置という形で具現化され、これは少なくとも当面の間、
財政危機にあるスペインとイタリアがユーロ圏脱退を
迫られるのではないかとの懸念を払拭(ふっしょく)する上で
十分な効果を発揮したと見なされている。
この措置は、(国債購入の対象となる)政府が
支援計画に付随する条件を順守することが前提とされるものの、
「無制限に」国債購入を行うことを公約したという点で
説得力があるものだった。
そのため、投機筋の間では、膨大な資金力を持つECBに対抗してまで
債券売りを行うべきかという疑問が生じた。
また、3年前からユーロ圏を苦しめ続けてきた重大な疑問も解消された。
それは、法的な制限があるためにECBがユーロ圏をまとめる上で機
動的に行動できないのではないかという疑問だ。
おそらく、ECB総裁が積極的にユーロ解体の指揮を取ろうとする
などという見方は全く理にかなっていないだろう。
だが、今夏までの2年半もの間は、これと正反対の可能性に賭
けることが有力な金融市場戦略の1つだったのだ。
このリストからは、一部の重要なイベントが省かれている。
1月30日に欧州連合(EU)27カ国中25カ国の首脳らが
財政規律の厳格化に合意したこともその1つだ。
ただ、ユーロ圏の将来的な機能には重要な影響を与える可能性もあるが、
目先の債務危機を解決する効果は限定的だったとみられる。
未完の作業は数多く残っている。先に挙げた重要イベントの一部は
まだ単なる公約にすぎない。
OMTはまだ試されていない上、政府と銀行間の悪循環も断ち切れていない。
ギリシャもまだ危機を脱したとは言えない。
過剰債務を抱えていることは公然の事実であり、政局も難しい状況にある。
そして来年はイタリアとドイツで総選挙も行われる。
これらは全て、2013年も引き続き忙しい年になると説明する上で
十分過ぎるほどの理由になるだろう。
==============================
以上、引用終わり。
2012年の欧州をみる限り、当初は誰もがEUの解体を予想してました。
でも、その予想を覆す形でここまできてます。
リーダーがこうしたいと強い意志を持って取り組めば、
なんとかなるものです。
日本も政権が変わったので、今後は強い意志を持って、
景気復興に取り組んで欲しいですね。