lifejamsessionのブログ
- 価格のランダムウォーク(正規分布)
- 収益率のランダムウォーク
- 収益率のファットテール分布
- ギャンブル研究から金融への応用: 勝率に基づいて「いくら」賭けるか
- オプション価格
- カオス理論の応用と予測
- 暴落の予兆検知
- マクロ経済への物理学の応用 - 経済マンハッタン計画(投資への、ではない)
- 株価は正規分布でランダムウォークする(ルイ・バシュリエ, 1900)
- それまでの歴史
- ジェロラモ・カルダーノ(1526 出版は1663): サイコロの出目確率論
- ブレーズ・パスカルとピエール・ド・フェルマーの往復書簡: サイコロの出目確率論
- ヤコブ・ベルヌーイ: 大数の法則(試行が増えれば結果は確率に近づく)
- グランゼコールをあきらめ、パリ大学でアンリ・ポアンカレの下で執筆
- バシュリエはここから、オプション価格理(売り手と買い手の損益ゼロとなる価格)を導出
- 株式の収益率は正規分布でランダムウォークする(i.e. 株価は対数正規分布する) - 株式市場のブラウン運動(モーリー・オズボーン, 1959)
- 歴史的背景
- DuPontのナイロン開発(1939)→基礎研究が儲けを生む
- マンハッタン計画(1942-)
- 海軍研究試験所(NRL)で音響や爆発、空気力学などを研究
- 投資家心理からも説明: 刺激の感じ方は変化の絶対量($)ではなく相対量(%)で決まる(心理学のウェーバー・フェフィナーの法則)
- 綿花その他あらゆる市場の収益率の動きはファットテール(ブノワ・マンデルブロ, 1964)
- 酔っぱらった銃殺隊の銃弾の分布(コーシー分布): 正規分布より背が高く(尖度高)、裾が厚い(ファットテール)
- 大数の法則該当せず(次の一発で、大きく平均値が変わる)
- レヴィ安定分布(アルファ安定分布): 分布のランダムさはα(小さいほどランダム、ファットテール)で表される。正規分布やコーシー分布を包括
- 正規分布: α=2、コーシー分布: α=1
- α<=1→大数の法則不成立、σは定まらず、期待値も出せない
1<α<2→平均値はあるがσは定まらない(i.e. 期待値は定まるが、推定が困難)
- 尚、現在は、収益率はレヴィ安定分布ではないという考えが主流
(ファットテールは合っている)
- グランゼコールの高等師範学校(ENS)に入学→内容が浮世離れしていて合わず→より実践的なエコール・ポリテクニークで博士号→IBMの研究員
- ギャンブル研究から金融への応用: 勝率に基づいて「いくら」賭けるか
- エドワード・ソープ(ディーラーをやっつけろ!)
- クロード・シャノン(情報理論創始者)にMITで学ぶ
- ワラントのショートで稼ぐ ヘッジファンドの走りに
- ワラントの適正価格は、かけの勝率が五分五分になる価格の筈
- オプション価格
- ブラック・ショールズモデル(フィッシャー・ブラック、マイロン・ショールズ、ロバート・マートン, 1971)の開発と広がり
- エマニュエル・ダーマンによるファットテールベースの修正@Goldman Sachs(1994)
- 実は、オコナー&アソシエイツが既にこれを知っていて、1987年Black Mondayを生き延びている
- カオス理論の応用と予測
- ジェームズ・D・ファーマーとノーマン・パッカードのヘッジファンド(プレディクション・カンパニー)
- エドワード・ローレンツによるカオスの発見(初期値に対する鋭敏な依存)
- e.g.バタフライエフェクト
- ブラックボックスモデル(いくつものアルゴリズムにデータをぶち込んで、最もうまくいくアルゴリズムを採用)
- 上記オコナー&アソシエイツがスポンサー
- 暴落の予兆検知
- ディディエ・ソネット: 破壊(rupture)現象(eg. 風船が割れる、地震)の専門家(ソネット自身は多分野に興味を持ち、多作)
- 小さな破壊(eg. ヒビ)が自己組織化し、破壊(=「臨界現象」eg. 破裂)に至る場合を特定する兆候を発見
- ケブラーという化学繊維で作った(宇宙船の)高圧タンクの破壊兆候を特定する実績を上げた
- その他の臨界現象でも同様の統計的な「普遍的特性」が観察される
eg. 雪崩、山火事、ストライキ、てんかん発作
- 臨界現象の兆候: 小さな出来事の起こる頻度が増す。時間の対数になる形で起こる間隔が短くなってくる(対数周期)。
- 1997年10月27日、アジア危機時の暴落を8月時点で予測。Far OTMのPut買いで、400%の利益を実現
- マクロ経済への物理学の応用 - 経済マンハッタン計画

