「できない」を決めるのは、誰なのか

― 理学療法士・相談支援専門員 小笠佑輔の話 ―

正直に言うと、
昔の自分は「支援する側の人間」でした。

どうすれば良くなるか。
どんな訓練をすればいいか。
何ができて、何ができないか。

評価して、考えて、提供する。
それが“正しい関わり”だと思っていました。


■ 違和感のはじまり

でも、現場で関わる中で
少しずつ違和感が生まれてきました。

同じように関わっているのに
伸びる子と、そうでない子がいる。

「能力の差」で片付けていいのか?

そんな中で、ある子との関わりが
自分の考えを大きく変えました。


■ 「できない」は本当か?

その子は、
「できないこと」が多いとされていました。

でも、ある日。

環境を変え、関わり方を変えたとき
今まで見たことのない動きを見せたんです。

一瞬でした。

でもその瞬間、はっきり思いました。

👉 「できないんじゃない」
👉 「できる環境がなかっただけだ」


■ 見えている世界が変わった

そこから、関わり方が大きく変わりました。

・どうすればできるか
・どんな環境なら力が出るか
・どんな関わりなら前に進めるか

“評価する側”から
“可能性を引き出す側”へ。

同じ子でも、
関わり方ひとつで未来は変わる。

そう確信しました。


■ 子どもたちは、すでに持っている

これまで多くの子どもたちと関わってきて、
強く感じていることがあります。

それは

👉 子どもたちは、すでに力を持っている

ということ。

足りないのは能力じゃない。
合った環境と関わりです。


■ だから「相談支援」をやっている

ただ、現場で気づいたのはもう一つ。

どれだけいい関わりをしても、
環境が整っていなければ続かない。

・どのサービスを使えばいいのか分からない
・選択肢が多すぎて迷う
・このままでいいのか不安

そんな声をたくさん聞いてきました。

だから私は、
相談支援専門員としても活動しています。


■ 立場は「支援者」ではなく「伴走者」

自分が大切にしているのは、
“正解を押し付けること”ではありません。

👉 一緒に考える
👉 一緒に迷う
👉 一緒に選ぶ

主役はあくまで本人とご家族。

私はその隣で、
選択を支える存在でありたいと思っています。


■ その子らしさを、消さないために

支援の中で、よくあることがあります。

「できるようにする」ことが目的になりすぎて
その子らしさが消えてしまうこと。

自分は、それが一番もったいないと思っています。

できることを増やすのも大事。
でもそれ以上に、

👉 その子らしく生きられること

これを大切にしたい。


■ これから

これからやりたいことはシンプルです。

👉 気軽に相談できる場所を増やす
👉 子どもと家族の選択肢を広げる
👉 「この人に聞けば大丈夫」と思える存在になる

地域の中で、
“かかりつけの療法士”として関われるように。


■ 最後に

もし今、

・どうしたらいいか分からない
・このままでいいのか不安
・誰に相談したらいいか分からない

そんな状態なら、
一人で抱えなくて大丈夫です。

正解じゃなくていい。
一緒に考えればいい。

その一歩に、関われたら嬉しいです。