michiruの書斎Ⅱ -17ページ目

michiruの書斎Ⅱ

「michiruの書斎」を書いていましたが記事が繋がらなくなりましたので、別に「michiruの書斎Ⅱ」を設けました。管理人は現在79歳になります。現在スライド映写機について、本をまとめています。

終戦後、間もない昭和20年代は私の幼年時代であった。父は19年に戦病死し、家には、母、祖母、3歳下の弟の4人が暮らしていた。田畑を起こすのも鍬や備中で1堀1堀起こした。田植えも手で1株1株植えた。今亡い祖母も母は、生涯土と戦っただけだ。養蚕をしており、どっさり大籠に摘んだ鍬を、部屋にもち込み腹をすかして待っている蚕に与えた。.桑を一斉に食べる音はにわか雨のように騒がしい。庭にある井戸から風呂や流し場の水をくみ、夕方になると雨戸を閉め、朝には開ける。
 猫を飼っており、障子の破れ穴から自由に出入れりした。夜になると天井裏は鼠が騒ぐ音で大騒ぎだった。時々、猫が鼠をとらえると見せに来た。犬は、時々散歩に連れて行った。このころは勉強より、家の手伝いの方が重視された。
 1つ年上の先輩が志高く、大学へ行くと言って故郷を去ったが、その後のことは分からない。 今、農業は機械化され、子どもが手伝うような場面はなく、かっての農村は様変わりし、若者は猫も杓子も受験生になって、都会へ出ていく。