Life affair -107ページ目

『自分の中に毒を持て』岡本太郎

太陽の塔1


引っ越しをしてきた利点のひとつに
万博公園が近いこと、が存在していた。
京都方面へ出る道すがら、そびえ立つ太陽の塔が
見えるのだけど、表題の本の中に
岡本太郎がこのオブジェへ込めた想いが書かれている。

“ぼくはエキスポ70にさいして、
中心の広場に「太陽の塔」を作った。

およそ気どった近代主義ではないし、
また日本調とよばれる伝統主義のパターンとも無縁である。
逆にそれらを告発する気配を負って、
高々とそびえ立たせた。

孤独であると同時に、ある時点でのぎりぎりの絶対感を
打ち出したつもりだ。” 

何度見ても妙で無愛想で不思議で圧倒的で、
誰もが足を止めて見上げてしまうこのオブジェ、
本に書かれた彼の主義やモラルを
すべて反映させてあるのだと実感する。

ある小説で、“ひとり”には
孤独と孤立と孤高の3種類あるとあったが
『自分の中に~』を完読してから、あの塔が
世界的に著名で、力強い生き様を世に刻んだ彼の
大きな誇り、“孤高”の象徴に見えてきた。

fait en bonbons フェッタンボンボン

fait en bonbons


今日から夏です、と宣告されたかのように暑くなった日。
依頼を受けた仕事の事に始まり、
なんだかんだ自分の事を考え込みすぎてしまったので
モヤモヤを解消すべく外出し、本屋にこもり、
ついでに気になっていたケーキ屋さんへ寄ってみる。

“失恋のどん底で打ちひしがれている人でさえも
甘いものを食べている時は幸せを感じてしまうもの。”
と、昔なにかで読んだ事があるけど
こちらのケーキは、まず見た目!
この甘美な可愛らしさに、
もはや卒倒すらしてもおかしくはない。

fait en bonbons ケーキ


アメリカのマフィンのようだけど
サイズはジャパニーズで、とても美味しかった。
ピンクの方のマフィン部分はオレンジピール入り。
ちょうちょのはココア生地。

しばらく飾ってでもして愛でようかと思ったが
同時に、このかわいこちゃん、はたして味は?!
‥と、一瞬で誘惑に負けました。

fait en bonbons フェッタンボンボン

みんぱく-国立民族科学博物館-

今日は、かねてから行ってみたかった“みんぱく”へ。
7、8年前に一度行った事があるのだけど
記憶は薄く、こんなに展示数多かったっけと驚いた。

太陽の塔そびえる万博公園にあるみんぱくは
世界の民俗学・文化人類学の研究活動と
展示活動を一体的に行うという、珍しい研究所らしい。

各国のかつての生活様式や文化が
手に取るように想像できる、きめ細かな
展示品の数々‥発掘されたひとかけらの
糸口からよくもここまで紡ぎだしたなと感心した。

金の曼荼羅

<金の曼荼羅>

なにより、面白かった。
芸術とは言い難い変な顔のお面や
人形などに、なんでこんな形にする必要が!
とつっこむ事もしばしば。
知的さよりもやはり面白さや見た目のきれいさが
スケールになってしまう私のような者も、
民俗学や歴史に詳しい方も
満ち足りさせてしまう事が出来るであろう、
完成度の高い博物館でありました。

アフリカちょうちょ

<併設の“アフリカのストリートアート展”より>

今日のおやつ

クレームブュルレ


ニクい焦げ具合、かぐわしきカラメルの香りの
WITTAMERのクレームブリュレは
今日遊びに来てくれたRさんのおみやげ。

「ライフ・アクアティック」

先日観た「コーヒー&シガレッツ」で 湧いた、
もっとビル・マーレーが見たい! という欲望を
満たしてくれそうなこの映画、
監督は「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」の
ウェス・アンダーソンだし、
観に行かない理由など思いつかなかった。

ライフアクアティック


スティーヴ・ズィスー(ビル・マーレー)は
かつて数々のドキュメンタリー映画を世に送り出した
世界的に有名な海洋探検家。
ここ10年来の作品はいまひとつパッとしないものの
最近の航海でジャガーザメなる大敵に
喰われてしまった友の復讐と、人気修復のため
更なる航海に漕ぎ出した。

ビル・マーレーは最高!
間抜けで意地っ張りで、さり気ない
行動や発言がいちいち面白い。
で、哀愁もあったりなんかして。
この監督の作品は、コメディでありながら
いつも人情味に深く深く触れているところに惹かれる。
ちょっと寅さんっぽいよなとも思う。

隊員のウィレム・デフォーは、冷血なヒールの印象しかないが
今回はびっくりする程笑わせてくれる。
後半に突入する程彼の登場シーンが増えたので
もしかして、あまりのハマりっぷりに
彼の出演枠を増やしたのかなと‥?

もちろん今作もかなりくすぐられる
カラーコーディネートやスタイリングに加え
“クレヨンタツノオトシゴ”、“ラインストーンマグロ”、
そして研究用に放たれたイルカ達など
かわいい!と歓喜してしまう
生き物たちに溺れてしまいそうでした。

ささいな事2つ。

-1-
長らく我が家でゆで玉子を作り続けてきてくれた
エッグボイラーが壊れてしまったようだ。

petra


いつものように玉子と水をセットしても知らん顔。
いつもは無愛想なコイツなのに
壊れてしまったらなんだか急に
元気のない表情に見えてきた。
なんかさみしい‥。
明日にでも修理に出してみよう。

-2-

モンステラ5/31


日に日に陽射しが強くなって来たので、
日中ベランダに出して日光浴させていた
モンステラを、いちばん日当たりの良い
窓際に置いておく事にした。

直射日光に当たりすぎると良くないらしい。
葉の緑色が濃くなってきました。

なんでこんなインドアな事ばかり書いているかと言うと‥
今日は「24」の続きに手を出してしまい
殆ど家から出ていないからです‥やっちまった!
社会不適合者度UP確実です。

ポスターフレーム

先日、Sちゃんがベルリンから
大事に持って帰ってきてくれた
バウハウスミュージアムのポスターを入れるフレームを買いに
天神橋筋商店街の専門店、“ガクブチの大和”へ。

関西最大の専門店だけあり、店内所狭しと並ぶ
さまざまな額縁が‥や、安い!
A1サイズで¥1,600。

bauhaus


白いフレームがポスターを引き立たせてくれています。
うっとり‥。

MIHO MUSEUM

陶芸の森を後にし、信楽を散策した後、
前々から色んな人に勧められ
行ってみたかったミホミュージアムへ。

MIHO外観


桃源郷をイメージしたというI.M.ペイの建造物、
聞いていたとおり、圧倒されました。
「金のことはええからやりたいようにやってや~」
と依頼されたんだろうな。多分。

MIHO内観


主要所蔵品はアジア各国の歴史的造物。
貴重な展示品そっちのけで
外観、内観をバシバシ撮らせていただきました。

MIHO橋

<受付とミュージアムを繋ぐトンネル>

その後、近江八幡のインテリアショップ、aulaへ。
地方独自の、こんな場所に、こんな洗練されたものたちが、
贅沢なくらいのスペースに納められている、というショップ。
最近のインテリアショップは建築事務所が
運営しているところが多いけど、こちらも然りであった。

大阪に帰ってきて、焼き肉屋に行ったら
肉と間違えて、口の中身を噛んでしまった。
‥まだ痛いです。

北欧のスタイリッシュ・デザイン フィンランドのアラビア窯展

滋賀県立陶芸の森にて
アラビア窯から生まれた作品の
展示会をしているというので訪れてみる。

陶芸の森看板


アラビア窯は、1873年にフィンランドのヘルシンキに設立され
当初はスウェーデンのロールストランド窯の
傘下であったが、1916年に独立。
1932年にはアート・デパートメントが設立され、
デザイナーや芸術家を招いて、今日にも誇られる
高いデザイン水準を維持してきた。

1945年に主任デザイナーとして迎えられた
カイ・フランクの“TEEMA”シリーズを皮切りに
アラビアの名は世界的なものに。

知識の薄かったアート・デパートメント時代の
アーティストの作品から、
現在日本でもよくよく親しまれている
フルーツや花の線画が印象的な“パラティーシ”までを
辿る事が出来て、これまでは
ひとつの“好きなメーカー”だったけど
なんだか益々親しみが湧いてしまった。

パラティージ


館内で流れていた製造工程のDVDを観ていると
思っていた以上に手作業が多い。
型に素材を流し込んだり、
マグカップの持ち手を接着したり
型から外した後の研磨作業など
熟練の職人の手で、命が吹き込まれているようだった。

最後に食器達の裏にあの、今はなき
生粋の“アラビア”の、スタンプを押す作業が印象深い。
うちの子“ego”も箱詰めされていました。

ego

24-TWENTY FOUR-

今更ながら、24のシーズン1を観る機会があった。
観る前から友達数人に、先が気になって
やめられない!寝不足だ!!という事を
聞いていたけど、まさか自分もそうなってしまうとは‥

24


ストーリーは、CTU(テロ対策ユニット)チーフの
ジャック・バウアーに非常召集命令がかかり、
大統領候補デイビッド・パーマー 上院議員暗殺計画を
阻止せよと指令が下される。

この事件の経過を、1時間ごとに
追うのだが、時間軸が全く視聴者と同等に
刻まれているのが、このドラマの凄いところ。

CTU内に紛れ込んでいるというスパイの存在から
ジャックは単独捜査を開始するのだが‥

ことの発端からは想像がつかないくらいに
断片的なあちこちの事件が交差し、繋がり
本当に緊迫して手に汗握ったまま、
すっかりのめり込んでしまった。
多分この構成は、趣味嗜好問わず
人間の心理を掴んで離さないように出来ているのだと思う。

Jack


孤高なヒーロー、ジャックを演じるのは
キーファー・サザーランド。
このジャックが‥物凄くかっこいい!!‥泣けてくるほど!
CTU内では、粗暴で身勝手な行動から
問題児扱いとされているのだが、
人間のどす黒い強欲と復讐心から起きるこの事件の
曇りのない希望のイコンが彼なのである。きっと。