「・・・。」


あの人の名前を繰り返す。


聞こえてる?


私の声は聞こえてる?


虚しく宙に浮かぶあの人の名前。


もう届く事はないのか。






私の時間は止まったまま。


赤く染まる夕暮れを見ながらあなたと毎日のように歩いた並木道。


沈む事のない夕日を見つめながら、私は今日も夢を見る。


夢の中でだけは、あなたとあの頃のように手を繋いで寄り添えるのに・・・。


目が覚めると寂しくて仕方ないの。


離れてしまったけど、変わらずに私はあなたを愛してるしこれからもずっと愛したい。


あなたはどう?


今でも私を愛してるいるかしら。


お願い。


夢の中で逢えたときはまた・・・抱きしめて。





いつだったかな。


あなたの肩にもたれて微睡んでいたら頭を撫でてくれたね。


でも・・・あなたの手が震えていて、その時私の時間に限りがあるって実感した。


私にばれないように涙を拭った後、あなたは赤く染まる夕暮れを見上げて言った「この瞬間が一番好き」って。


私はあなたと一緒にいられる時間だったらいつだって大好きだった。





今会えるのは夢の中だけ。


最初の夢で私は立ち尽くし俯いてた。


二度めの夢であなたに触れて涙が溢れた。


夢の中で会えるあなたはいつも笑ってた。


だけどね、三度目の夢で気付いたの。


その悲しみに。





ねぇ。本当よ?


今でも愛してるの。


あの時と何も変わらない。


ねぇ。お願いよ。


もう一度だけ・・・もう一度だけ抱きしめて。


もう一度だけ届いて。


暖かいその胸で愛されて眠らせて。


お願い・・・ねぇ・・・もう一度だけ・・・


あの日に戻ってよ・・・。




「愛してる」


あの人の声が耳元に届いた気がした。