息子は寝る時はがっしりと僕にしがみついて寝る。僕が寝るところについてきて一緒に寝るという。息子が先に寝室で寝ていたけどそっと寝床に入ると寝ながら気づいて自動的に僕の腕にしがみついてそこでまた寝だす。クリームパンみたいな手が僕の腕にしっかりと巻き付いている。離そうとしてもその度に寝ながらグッと力が入る、不思議なもんだよ。
はぁ… なんでこうなのか。あれだけ僕に色々言われてもダディが大好きだとリマインドのように直に伝えにくる。まだ1人で寝れない、妻はまだぼうずが赤ちゃんの域から出ない間にいなくなってしまった。どこでどう間違ったこれ。
本当は僕が奥さんをぎゅっとして寝たい。
今日はなんか途中でとち狂ったけどなんとか落ち着いた、でもそんなことばかり考える今夜だ。そしたらせっかく風呂入って顔洗って化粧水つけて乳液つけて整えた顔にまた涙が溢れていく。
なんか今日はどんな薬を飲んでもダメみたいだ。
僕は妻が亡くなってからまだ妻の夢を一度も見てないんだ。みんな大事な人を亡くした時枕元に来ただの夢見ただの言うけど僕には無い、なんでなんだろう。もう6ヶ月も経つのに。
毎日朝起きたら妻の遺影の前でおはよう、夜はお休み、昼間でも家にいたら話しかけたり。さっきも僕は情けない感じで妻の遺影、遺骨が入った箱にしがみついてなんか言ってた。そして妻がずっと被ってた帽子に顔をつけて妻のにおいを探した。
なんとも情けない、とんでもなく情けない、もう6ヶ月も経過したのに僕はまだ何一つ乗り越えられていない。こんなだから妻は夢にも出て来ないんだろうか。それとも妻は本当は僕のことあまり好きじゃなかったのかな、だんだんと生きる可能性が少なくなってきた日々、やはり僕はもっと何か妻のためにやれたんじゃ無いかな、色々サポートが足りなかったのでは。最後の方はろくにちゃんとやり取りもできなかった。みちゃだめなんだけど妻とのやりとりのLINEを時々見返しては泣いてしまう。まだ今だにこんな感じのループだ、こんな情けない自分が嫌い、本当に嫌になる。
もし僕がフィクションの世界にいたら、異世界とかの世界にいたら、亡くなった奥さんを蘇らせようとあれこれ禁じられたものに手を出して狂人になってたと思う。
数分でもいい、可能ならいろいろ、全てを失ってもいいから奥さんともう一度話せるなら話したい。もっとちゃんと綺麗にお別れしたい。
一度でいいから夢に出てきてくれるだけでもいいや、なんか、なんか言ってほしいなぁ。
息子もダメだけど、僕も十分だめだわ、本当自分がこんな情けないとはね…
僕さ、そんなに好きでもないスイーツ、ケーキを買ったりして食べちゃうんだよ、奥さんがケーキ大好きで買って帰って喜んで食べてるの見てるのが好きだったから。そんな得意でも無いのに3つとか買ってさ。わがままでめんどくさい奥さんがそばにいてむーむー言ってただけで、それが本当に特別なライフだったんだなあってさ。
どうしたら僕もほんと消えられるのかな、…ほんと
生きるって辛い