⑥ホームレスの社会貢献 | 潜在意識のナビゲーター ビリーブス田中 

⑥ホームレスの社会貢献

ステーキをたらふくご馳走になった後に、いろいろな話を聞いた。

それにしても、ホームレスとは思えないほど、綺麗な服をきて、清潔そうだ。


「なんで、そんなにキレイなんですか?」

「体は、公園のトイレの水道で洗っている。

服は、毎月第三水曜日に、○○に行けば、服がいっぱい出るのさ。

だから、その時、全部着替えるんだ。

だけど、実家のそばに行く時は、わざと汚い格好で近所を歩いてやるんだ。

そうすると、母親が出てきて、『頼むから、そんな格好で歩かないで』って泣きついてくるのさ!」


どうやら、この人の場合、親への復讐の為にホームレスを自ら選んでやっているようだ。


他のホームレスの話も聞いてみた。


結構遠くまで旅に出るそうだ。

「どうやって、行くんですか?」

「電車に乗ってさ」

「切符はどうするんですか?」

「自動改札で前の人の背中にくっついて通ればフリーパスさ」


なんと、阪神大震災の時には、関東のホームレスがたくさん、この手を使って神戸に行ったそうだ。


そして、にわかホームレスの被災者に、ブルーシートハウスや段ボールハウスの建て方を教えて、

ボランティアが炊きだしてくれた食事を頂き、社会貢献が終わると、また散っていったのだという。


なんだか、ホームレスに対する見方が変わってきた。

もちろん、こんな話ばかりではない。


選択の余地なくホームレスになって、かなり悲惨な状態の人に会ったり、話も聞いた。


しかし、結局どんな状況でも、本人がその状況をどう受け止め、どう行動するか!

それは、本人が選択することであり、それによって全然違った世界になっていく。


「なんだ、落ちたとしてもここなのか!」


この豊かな日本で、ホームレスになったとしても、餓死することも凍死することもない。

自分の気持ちさえしっかりしてれば、何が起きたって大丈夫じゃないか!


そう思えた瞬間、それまでの不安や恐れが消え、

「よし、やってやろうじゃないか!」

と、内側から力が湧いてきた。

そして、引っ越して、新たなスタートを切る決断ができた。


                 <つづく>