②そうだ!ホームレスになろう! | 潜在意識のナビゲーター ビリーブス田中 

②そうだ!ホームレスになろう!

実は、私はこれまでの人生の中で2回ほどホームレスの体験をしている。

1回目は、38歳の時。

その少し前まで私は、当時付き合っていた彼女と同棲しながら恵比寿ガーデンプレイスの近くでセラピールームを開設していた。

都心の一等地だったこともあり、全国からたくさんのお客さんが来てくれ、かなり繁盛していた。

彼女とは、同じセラピーの学校で共に学び、卒業と同時に一緒に住むことになった。


私は毎日、平日は個人セッション、土日はセミナーに明け暮れ、仕事が楽しくて仕方なかった。

彼女の方は受付や、セミナーのサポートをしてくれていたが、二人の時間が持てない生活にだんだん不満がたまってきていた。


私の方は、どんどん小山の大将になっていき、彼女に対して聞く耳を持たず、結局別れることになった。

すると、お客さんがだんだん減っていった。

それまで、私は、自分がこんなに一生懸命に仕事をしているのに、彼女の方は大した仕事もしないくせに、不満ばかり言っていると感じていた。

しかし、彼女は、私のついつい行きすぎてしまうところに、ブレーキをかけると同時に、来る人にとって、居心地の良い場を作ることに、さり気なく気を配ってくれていたのだ。

別れて初めて、彼女の存在の価値に気づいた。
しかし、それも後のまつり…。


しばらく一人でやっていたが、事務作業が滞るので、スタッフを雇うことにした。

しかし、人件費や家賃、広告代などの経費がかさむ割に、思ったように人が集まらない。

「このままではまずい…」

と不安になり、次第にストレスで眠れない日が続くようになった。


そこで、「何をそんなに恐れているのだろう…」

と、その究極の結末をイメージしてみた。


人がどんどん減ってきて、経費がかさみ、借金が増え、やっていけなくなり、倒産し、信用がなくなり、最後には、ホームレスになってしまう…。


「そうか! ホームレスになるのを恐れているんだ!

じゃあ、一回ホームレスってどんなものか体験してみたらいいじゃないか!

まずは、ホームレスと友達になろう!」


恵比寿のマンションはとても愛着があったので、何とか踏みとどまろうと思っていたが、そろそろ限界。

もう引っ越しをするしかないだろう。

そこで、家の中の不要なもので、ホームレスが喜びそうなものを上げることにした。


ガーデンプレイスの隣の公園にいるホームレスに、ガスコンロとフライパンをあげた。

すると、とっても喜んでくれ、すぐに友達になることができた。

                         <つづく>