①一週間のホームレス体験を命ず! | 潜在意識のナビゲーター ビリーブス田中 

①一週間のホームレス体験を命ず!

同居人の一人に一週間の体験ホームレスをする課題を出した。

いきさつは、以下の通りだ。


彼は、人生を変える為に彼の友人の誘いで田舎から体一つ(ほとんど無一文状態)で出てきていた。

彼の友人は私のビジネスパートナーでもあったので、その友人の頼みで、私の家に居候させることにした。

そのうち、紆余曲折あり、私と彼と、彼の友人との三人で新たなビジネスを起ち上げようということになった。


しかし、彼はこの1ヶ月半、考え込んでいるだけで何一つ行動にうつすことができなかった。

そこで、一週間前の夜、名刺を50枚渡し、「誰でもいいから名刺交換してくる」という課題を出した。

彼は、なかなか帰ってこなかった。

今頃、頑張っているのだろうな…と思いながら待ったが、夜中を過ぎても帰ってこない。

彼が返ってきたのは翌日の昼だった。


どんなエピソードがあったのか…。

何をつかんで帰ってきたのか…。

楽しみにしていたのだが、彼は、12時間放浪していただけで、名刺一枚も交換してこなかった。


まさに、この一ヶ月半の彼の内側の状態が、そのままこの12時間に現れただけで、何一つ変わってはいなかった。


このまま、うちで居候させて置くだけでは、甘やかすだけで、本気で何とかしようという気持ちになれないのだな…と悟り、次の課題を出すことにした。


それは、「一週間ホームレス体験をしてくる」というものだ。


私は、彼に言った。


「人生を変える為に、田舎から体一つで出てきたという勇気と情熱を買って、君を居候させることを選択した。

最初のうちは、進路が決まらず、なかなか動けなくても仕方ないだろう…と、家でゴロゴロしていることにも目をつぶってきた。

自分からは、何も思いつけないようだったから、様々な提案もしてみた。

しかし、考え込むだけで、何一つ選択して行動しようとしてこなかったね。

君がいつまでも選択しないから、私の方が新たな選択をした。

それは、今日限り、君をここから出すということだ。

君に残された選択は、『よし!自分の為にホームレス体験をし、そこから何かをつかむぞ!』と決めて出るのか、

『イヤイヤ家を出されて、可哀想な自分』をやり続けるのか…ということだけだ」


彼は、一週間前の午後、覚悟を決めて、家を出た。

                        <つづく>