非常事態宣言が出たにもかかわらず、
東京は相変わらず人流が多く、
そんな雑踏の中を歩いていると、
誰かが、
私を呼びかけている気がする
誰
探してみるけど、
見当たらない。
また、
私を呼びかける声がする。
その声は、徐々に大きくなっていく
そして、やっと、声の主を理解し、
彼女を見た瞬間、
走馬灯のように、
昔の思い出、感情が鮮明に甦ってくる
約20年ぶりに見た彼女は、
歳をとったことがうかがえるものの、
昔の面影がしっかりと残っている。
一方、私はどのように見えてるのだろう
そんなことを気にするなど、
自分の気持ちが高揚していることに気が付く。
まだ、そのような感情が残っていたことに
正直、驚くとともに、
がんサバイバーなのに、
そんな感情を抱くなど
余裕があっても良いのだろうか
そう考えると、戸惑いも同時に覚える。
嬉しいのやら、
気まずいのやら、
後ろめたさがあるのやら・・・
複雑な感情が交差する
そんな出来事の一齣であった。