平成の三四郎こと、古賀稔彦氏が亡くなられた。

 

彼の突然の訃報に驚くとともに、

 

また、がんで闘病していたことも知って、

 

さらに驚いた。

 

昨年、手術で片腎を摘出したとの報道があるので、

 

ひょっとすると私と同系のがんだったのかもしれない。

 

 

 

 

 

テレビで何度も放映されているが、

 

バルセロナ五輪での金メダルは、

 

怪我をしながらの快挙であり、

 

その功績は強い印象を残すとともに、

 

彼の胆力、気力は、

 

多くの人に勇気も与えたことであろう。

 

茲に改めて敬意を表するとともに、

 

お悔やみ申し上げる。

 

 

 

 

 

一方、母親には病気を知らせなかったようであるが、

 

個人的に、その気持ちが痛いほど、よく分かる。

 

実は、私も約3年前の手術のときは、

 

姉には話したが、母親に黙っていた。

 

心配を掛けたくないというのが

 

その1番の理由だ。

 

しかし、親というものは、

 

ときどき、すごいと感じることがある。

 

手術が終わり、意識が戻ったところで、

 

ストレッチャーで病室に戻され、

 

まだ朦朧としながらも看護師さんに

 

自分のスマホを渡すようにお願いして

 

そのスマホを見ると、

 

母親から、LINEで、

 

「元気にしているかい、変わりないかい?」

 

とメッセージが届いていた。

 

これを虫の知らせというのだろう。

 

私は、

 

「元気、いつもと変わりない。」

 

と簡単に返事をし、

 

手術のことは、決して言わず、

 

ずっと隠そうと決めていたのだった。

 

 

 

 

 

ところが、その後、姉から、正直に言わないと、

 

親は必ず後悔するので、

 

絶対に言うべきだと、

 

何度か諭された後、

 

意を決して、

 

話すことにした。

 

話したところ、

 

母親はきっと怒るだろうと予想していたのだが、

 

その予想とは異なり、

 

非常に残念がっていた。

 

LINEでメッセージを送ったときに、

 

私の状態が相当辛い状況にありながら、

 

労わることできなかったこと、

 

そして、何も知らなかったことが、

 

非常に悲しかったそうである。

 

 

 

 

 

そして、

 

私ががんであることを知った、

 

両親は、

 

私のために千羽鶴を折って、

 

送ってくれたり、

 

今でもがんが治るように

 

お詣りをしていると、

 

姉から教えてもらった。

 

40を過ぎたおっさんである私を、

 

何時になっても、

 

息子として扱ってくれる

 

その親心が心底嬉しかったし、

 

こんな俺でも、

 

まだ親に頼っても良いんだなぁという

 

安心感、ありがたみを痛感して、

 

涙がこぼれ出そうになった。

 

 

 

 

 

相手を思い遣る気持ちとは、

 

時に上手く絡み合わず、

 

時にすれ違うこともある。

 

古賀氏の気持ちも分かるが、

 

古賀氏の母親の気持ちを慮ると、

 

切ないものが込み上げてくる。

 

もっと、いい方法はなかったのだろうか・・・。

 

 

 

 

 

もし、現在、がんの告知、

 

がんの手術を受けようとして、

 

そのことを親に隠そうとしている人がいれば、

 

それが正しいのか、

 

もう1度、振り返ってみる時間はあるだろうし、

 

親の気持ちを慮って、

 

正直に言うことも考えてみてほしい。

 

もちろん、親御さんの体調を考慮すれば、

 

言わないことが良いこともある。

 

私が言いたいのは、

 

結論は別として、

 

自分の考えが正しいと盲目的に従うのではなく、

 

親御さんの気持ち、周りの人の意見も取り入れて、

 

考えてみてほしいということにある。