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感動巨編とかじゃないし、別に泣けないけど、この映画は素晴らしい。
なんつうか、『生きる』にも、世界的名作の風格がある。
しかし、ジャンルで言えばそれほど目立つジャンルでもない。自分の胃がんを知った役人が、定年を目前に自分の生き方を見直すという話。あらすじだけ言えば、どこにでもあるような話のようにも思う。
黒澤明でなければ見ないジャンルかもしれない。
骨太なドラマ、軽妙な語り口、精巧なシナリオ構成。
最近でこれに近い感じを受けたのは、最近じゃないけど周防監督のシャルウィダンスかな。緻密な作り方に共通点を感じる。でも何か決定的に違うものがある。
迫力、かな。
主演の志村喬やカメラワークの話ではなく、映画全体から醸し出される迫力。
なんつっていいかわからないけど、何か、「生きる」ということをがつんと突きつけられる迫力。
一生の中で、まだ何度もこの作品を見るんだろうけど、
その謎が解ける日が来るのかなぁ。